第106回 看護師国家試験 午後 問19 解説
📝 問題
グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高い体位はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ グリセリン浣腸で腸管穿孔の危険が最も高い体位は立位である。
グリセリン浣腸は左側臥位で行うのが原則である。 立位では肛門から直腸の向きが見えず、カテーテルの先が直腸の前の壁に当たりやすい。さらに腹圧がかかって腸の壁が引き伸ばされ、薄くなったところを突く形になるため、直腸穿孔の危険が最も高い。
穿孔すると出血や腹膜炎を起こし、漏れたグリセリンが血管に入ると溶血や腎障害につながる。 左側臥位が選ばれるのは、直腸からS状結腸へ続く自然な向きに沿い、カテーテルを無理なく進められるためである。
- 1
立位正解
立位では直腸の向きが見えず、腹圧で薄くなった腸壁にカテーテルの先が当たる。実際に穿孔の報告があり、行ってはいけない体位である。
- 2
仰臥位不正解
仰臥位は直腸からS状結腸への向きに沿わないため挿入しにくいが、腹圧が加わらないので穿孔の危険は立位ほど高くない。
- 3
腹臥位不正解
腹臥位は肛門部が見えにくく、浣腸そのものが行いにくい体位である。穿孔の危険という点では、腹圧のかかる立位のほうが高い。
- 4
左側臥位不正解
左側臥位は直腸からS状結腸へ続く向きに沿うため、カテーテルが壁に当たりにくい。浣腸の基本となる体位である。
📚 ここも一緒におさえておこう
グリセリン浣腸は、実際に起きた事故がそのまま出題される。体位・挿入の深さ・実施後の観察を一続きで覚えよう。
- カテーテルは成人で5cm程度挿入する。抵抗を感じたら無理に進めない
- 注入はゆっくり行い、痛みや気分不快を訴えたらすぐに中止する
- 排便のときに迷走神経反射が起きて血圧が下がることがあるため、実施の前後で顔色と全身の様子をみる
参考: 標準的な基礎看護学(浣腸の手技と体位)/医療安全情報(グリセリン浣腸による直腸穿孔)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について