第106回 看護師国家試験 午前 問61 解説
📝 問題
Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経と診断された。今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 無月経が長く続くと、エストロゲンの不足によって骨吸収が増加する。
体重減少性無月経は、短期間に体重が大きく減ったことで視床下部のはたらきが抑えられ、卵巣への指令が減って起こる。 指令が減れば卵巣から出るエストロゲンも減り、閉経後と似たホルモン環境になる。
エストロゲンには骨を壊す動き(骨吸収)を抑える作用がある。 不足が長引くと骨吸収が骨形成を上回り、骨密度が下がって10歳代でも骨粗鬆症に近い状態になる。
他の3つは、いずれも下がる方向に動く値である。
骨吸収とは
古くなった骨が壊されて血液中へ溶け出すこと。新しい骨をつくる骨形成とつり合っているあいだは、骨の量は保たれる。
- 1
血糖値不正解
低栄養が続く状態なので、血糖はむしろ下がりやすい。
- 2
骨吸収正解
エストロゲンが骨吸収を抑えているため、不足が続くと骨吸収が進んで骨密度が下がる。
- 3
体脂肪率不正解
1年で12kg減っている時点で体脂肪は減っており、無月経が続いても増えない。
- 4
エストロゲン不正解
視床下部からの指令が減って卵巣のはたらきが落ちているので、エストロゲンは低いままである。
📚 国試でよく狙われるところ
無月経は、月経が来ない原因が体のどこにあるかを入れ替えて問われる。原因の場所とホルモンの動きを対にして覚えよう。
- 体重減少性無月経は視床下部が原因で、大きな体重減少や強いストレスが引き金になる。体重が戻れば月経も戻ることが多い。
- 原発性無月経は満18歳になっても初経がないもの、続発性無月経はそれまであった月経が3か月以上止まったものをいう。
- 運動量の多い女性では、利用可能なエネルギーの不足・無月経・骨粗鬆症が重なりやすく、女性アスリートの三主徴として知られる。
参考: 標準的な女性生殖器の生理学(視床下部-下垂体-卵巣系)/日本産科婦人科学会による無月経の定義
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について