第106回 看護師国家試験 午前 問56 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 加齢とともに咳嗽反射は低下し、誤嚥しても咳が出にくくなる。

加齢によって、飲み込みに関わる筋力・感覚・唾液の分泌がそろって落ちる。 のどに食べ物が入ったことを感じ取る感覚が鈍り、異物を押し返す咳嗽反射も弱くなる。

その結果、誤嚥しても咳き込まない不顕性誤嚥が起こり、本人も周囲も気づかないまま誤嚥性肺炎に進む。 高齢者の肺炎で発熱や咳がはっきり出ないことがあるのは、この反射の低下が背景にある。

他の3つは、加齢で起こる変化の向きが反対になっている。

不顕性誤嚥とは

むせや咳が出ないまま、唾液や食べ物が気管に入ってしまうこと。本人も周囲も気づかず、睡眠中にも起こる。

  • 1

    咳嗽反射が低下する。正解

    のどの感覚が鈍り、異物を押し出す咳の力も弱まるため、誤嚥しても咳き込まなくなる。むせないからといって誤嚥がないとは限らず、食後の発熱や痰の増加といった別の徴候から気づく。

  • 2

    口腔内の残渣物が減る。不正解

    逆。舌や頬の動きが弱まり唾液も減るため、口の中に食べ物が残りやすくなる。残った食べ物は細菌の温床になるので、食後の口腔ケアが肺炎の予防につながる。

  • 3

    唾液の粘稠度が低下する。不正解

    逆。唾液の分泌量が減って粘り気が増し、食べ物をまとめて飲み込みやすい塊にする働きが落ちる。

  • 4

    食道入口部の開大が円滑になる。不正解

    逆。食道の入口を開く筋の緩みが不十分になり、飲み込んだものが咽頭に残りやすくなる。

📚 国試でよく狙われるところ

加齢による嚥下の変化は、「増える/減る」の向きを入れ替えて問われる。落ちるのは筋力・感覚・唾液、増えるのは残留と誤嚥、と向きをそろえて覚えよう。

  • 喉頭の位置が下がり、飲み込むときの喉頭挙上が遅れて気道が閉じきらない
  • 唾液が減って食塊がまとまらず、咽頭残留が増える
  • のどの感覚が鈍り、残留や誤嚥に気づけないまま食事が進んでしまう

参考: 系統看護学講座 老年看護学

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第106回の問題一覧を見る