第105回 看護師国家試験 午後 問58 解説
📝 問題
向精神薬と副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 抗うつ薬の副作用として、セロトニン症候群が起こる。
セロトニン症候群は、抗うつ薬で脳内のセロトニンが増えすぎたときに起こる。発熱、汗、手足のふるえや筋のこわばり、落ち着かない・混乱するといった症状が、薬を始めたときや量を増やしたときに現れる。 薬を減らす、やめることで改善するので、開始と増量の直後は体温・意識・手足の動きを観察する。
残りの3つは組合せがずれている。抗精神病薬では錐体外路症状、抗認知症薬では吐き気などの消化器症状と徐脈、抗てんかん薬では眠気・ふらつき・発疹が問題になる。
錐体外路症状とは
体の動きをなめらかに調節する脳の回路が乱れて起こる症状。手のふるえ、体のこわばり、じっとしていられないなどが出る。
- 1
抗精神病薬 ── 多毛不正解
抗精神病薬で問題になるのは、手がふるえる・体がこわばる・じっとしていられないといった錐体外路症状と、乳汁分泌や月経の停止である。多毛は抗てんかん薬のフェニトインなどで起こる。
- 2
抗認知症薬 ── 依存性不正解
抗認知症薬(ドネペジルなど)は依存を起こさない。注意するのは吐き気・下痢といった消化器症状と、脈が遅くなることである。
- 3
抗てんかん薬 ── 急性ジストニア不正解
急性ジストニア(首や眼球が勝手にねじれる)は抗精神病薬の錐体外路症状である。抗てんかん薬では眠気・ふらつき・発疹に注意する。
- 4
抗うつ薬 ── セロトニン症候群正解
抗うつ薬でセロトニンが増えすぎると起こる。飲みはじめや増量した直後の発熱・ふるえ・混乱がサインになる。
📚 混同しやすいので注意
向精神薬は、薬の種類と副作用の組合せを入れ替えて問われる。薬ごとに「これだけは見逃せない副作用」を1つずつ結びつけて覚えよう。
| 薬の種類 | 注意する副作用 |
|---|---|
| 抗精神病薬 | 錐体外路症状(ふるえ・こわばり・急性ジストニア)、悪性症候群、乳汁分泌 |
| 抗うつ薬 | セロトニン症候群、飲みはじめの吐き気 |
| 抗不安薬・睡眠薬 | 眠気・ふらつきによる転倒、長く使うと依存 |
| 抗てんかん薬 | 眠気・ふらつき、重い発疹 |
参考: 系統看護学講座 精神看護学/標準的な薬理学(向精神薬の副作用)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について