第105回 看護師国家試験 午前 問98 解説
📝 問題
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aさん(94歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。 このときの面談内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 入所時の面談では、急変したときにどこまでの治療を望むかを本人と家族に確かめておく。
Aさんは94歳で、肺炎の治療を終えたばかりである。年齢と経過からみて、体調が急に変わることが起こりうる。 入所の日は、本人の考えを直接聞ける機会でもある。妻も同席しているこの場で、急変したときに救急搬送を望むかどうかを確かめておく。
こうして、これから受けたい医療やケアの希望を本人・家族・医療者があらかじめ話し合っておく取り組みをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)という。 一度決めて終わりではなく、状態が変わるたびに話し合いを重ねる。判断が難しくなったときに本人の意思を代わりに伝える人(代弁者)も、あわせて決めておく。
残る3つは、いま決める段階になく、Aさんの状態にも合わない。
アドバンス・ケア・プランニングとは
これから受けたい医療やケアについて、本人と家族、医療者が前もって繰り返し話し合っておく取り組み。人生会議という愛称がある。
- 1
自宅の改修を提案する。不正解
在宅へ戻ることが見えてきた段階で考える話。入所したその日に切り出す内容ではない。
- 2
ベッド上安静の必要性を説明する。不正解
Aさんは座位を保て、食事の姿勢も動作も自立している。安静を続けると筋力が落ち、動けなくなる。
- 3
急変時の救急搬送の希望を確認する。正解
94歳で肺炎の直後という状況では、急変への備えが要る。本人と妻がそろっている入所時に、望む対応を聞いておく。
- 4
通所リハビリテーションの利用を提案する。不正解
自宅で暮らす人が日帰りで通うサービス。施設に入所している間は利用できない。
📚 混同しやすいので注意
介護保険の3つの施設は、名前が似ていて役割を入れ替えて問われる。何を目的に入る施設かで見分けよう。
| 施設 | 目的 | 対象 |
|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 生活の場として長く暮らす | 原則要介護3以上 |
| 介護老人保健施設 | リハビリテーションを受けて在宅復帰を目指す | 要介護1以上 |
| 介護医療院 | 医療と介護を長く受けながら暮らす | 要介護1以上で医療の必要が高い人 |
参考: 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」/系統看護学講座 老年看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について