第105回 看護師国家試験 午前 問97 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aさん(94歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。入所時の身長170cm、体重50kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2g/dL、CRP0.1mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。 Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 体重減少と血清アルブミンの低下がそろっており、タンパク質・エネルギー低栄養状態である。

Aさんは1か月で3kg減り、もとの体重に対する減少率は約5.7%になる。1か月で5%を超える減少は、栄養が足りていないしるしになる。 血清アルブミンも3.2g/dLで、3.5g/dLを下回っている。身長170cmに対して体重50kgと、体格指数も低い。

一方で食欲はよく、義歯にも口の中にも問題がない。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回でき、飲み込む力は保たれている。 食べられないのではなく、必要な量に足りていない。タンパク質・エネルギー低栄養状態にあたる。

残る3つは、いまのAさんに当てはまる所見がない。

反復唾液嚥下テストとは

30秒間に空つばを何回飲み込めるかを数える検査。3回未満だと飲み込む力の低下を疑う。

  • 1

    流動食が必要である。不正解

    飲み込む力が落ちた人に用いる食事の形態。Aさんは姿勢も動作も自立し、嚥下の検査にも問題がない。流動食はかさのわりに栄養が少なく、かえって体重が減る。

  • 2

    炎症反応が続いている。不正解

    CRPは0.1mg/dLで基準の範囲にある。肺炎による炎症はすでに治まっている。

  • 3

    認知症による摂食行動の問題がある。不正解

    認知症高齢者の日常生活自立度ランクⅡaは、家庭の外で多少の症状がみられても、誰かが注意していれば自立できる段階。食欲は良好で、食事の動作も自立している。

  • 4

    タンパク質・エネルギー低栄養状態〈PEM〉である。正解

    1か月で約5.7%の体重減少と、血清アルブミン3.2g/dLの低下がそろっている。エネルギーとタンパク質の両方が不足した状態にあたる。

📚 数字の境目に注意

高齢者の低栄養は、体重・血液検査・体格指数の3方向から問われる。どこからが要注意かという境目を覚えよう。

  • 体重減少は1か月で5%、3か月で7.5%、6か月で10%を超えると要注意。
  • 血清アルブミンは3.5g/dL未満で低栄養を疑う。ただし炎症や脱水でも動く。
  • 体格指数は18.5未満がやせ。高齢者では低体重が転倒や感染の危険を高める。

参考: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」/系統看護学講座 老年看護学

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第105回の問題一覧を見る