第105回 看護師国家試験 午前 問61 解説
📝 問題
精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で創設されたのは、精神障害者保健福祉手帳の制度である。
精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律(精神保健福祉法)への改正は平成7年(1995年)に行われた。法律名に「福祉」が加わり、このとき精神障害者保健福祉手帳の制度が創設された。 手帳は障害の程度によって1級から3級に分かれ、2年ごとに更新する。
他の3つはこれより前の法改正で行われている。 私宅監置の廃止は昭和25年(1950年)の精神衛生法、通院医療費の公費負担制度の導入は昭和40年(1965年)の改正、任意入院の新設は昭和62年(1987年)の精神保健法である。 通院医療費の公費負担制度は、現在は障害者総合支援法の自立支援医療(精神通院医療)に引き継がれている。
私宅監置とは
精神障害のある人を自宅の一室や小屋に閉じ込めることを、法律が認めていた仕組み。昭和25年(1950年)の精神衛生法で廃止された。
- 1
私宅監置の廃止不正解
私宅監置を廃止したのは昭和25年(1950年)の精神衛生法である。入院医療の体制を整え、都道府県に精神科病院の設置を義務づけた。
- 2
任意入院の新設不正解
任意入院は昭和62年(1987年)の精神保健法で新設された。本人の同意にもとづく入院で、精神保健指定医と精神医療審査会の制度も同時に始まった。
- 3
通院医療公費負担制度の導入不正解
通院医療費の公費負担制度は昭和40年(1965年)の改正で導入された。現在は自立支援医療(精神通院医療)として、障害者総合支援法にもとづいて行われている。
- 4
精神障害者保健福祉手帳制度の創設正解
精神障害者保健福祉手帳は平成7年(1995年)の精神保健福祉法で創設された。等級は1級から3級で、税の控除や公共料金の割引などが受けられる。
📚 国試でよく狙われるところ
精神科の法律は、どの改正で何が入ったかを入れ替えて問われる。法律名・年・中身の3つを1組で覚えよう。
- 平成25年(2013年)の改正で保護者制度が廃止され、医療保護入院は「家族等」の同意で行うことになった
- 令和6年(2024年)4月からは医療保護入院に入院期間の定めが置かれ、期間ごとに更新の手続きをとる
- 家族等の全員が同意も不同意も示さないときは、市町村長の同意によって医療保護入院ができる。家族等がいない場合も同じである
| 法律 | 年 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ①精神病者監護法 | 明治33年(1900年) | 私宅監置を法律で認めた |
| ②精神衛生法 | 昭和25年(1950年) | 私宅監置を廃止し、都道府県に精神科病院の設置を義務づけた |
| ③精神衛生法の改正 | 昭和40年(1965年) | 通院医療費の公費負担制度、保健所を地域精神保健の第一線機関とした |
| ④精神保健法 | 昭和62年(1987年) | 任意入院、精神保健指定医、精神医療審査会 |
| ⑤精神保健福祉法 | 平成7年(1995年) | 精神障害者保健福祉手帳、社会復帰施設の位置づけ |
参考: 精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律/厚生労働省「精神保健福祉法の改正について」
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について