第105回 看護師国家試験 午前 問60 解説
📝 問題
生活技能訓練〈SST〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 生活技能訓練は、退院に向けて生活の技能を練習する支援プログラムの1つである。
生活技能訓練(SST)は、あいさつ、頼みごと、断り方、薬についての相談といった人との関わりの技能を、練習によって身につける方法である。学習理論にもとづく行動療法の1つで、手本を見せる、ロールプレイで練習する、できたところをほめる、生活の場で試す、という手順を繰り返す。
精神科では、退院後の生活で困りやすい場面をあらかじめ練習しておく退院支援の柱として行われる。買い物でのやりとり、薬局での相談、調子が悪いときに助けを求める言い方などを、実際に近い形で試す。看護師も指導者として関わる。
- 1
退院支援プログラムの1つである。正解
入院中から、家に帰ったあとに困りそうな場面を選んで繰り返し練習する。退院支援プログラムの柱の1つにあたる。
- 2
診断を確定する目的で実施される。不正解
診断は面接と経過の聞き取りで行う。生活技能訓練は、診断がついた人が生活の技能を練習する場である。
- 3
セルフヘルプグループの一種である。不正解
セルフヘルプグループは、同じ悩みをもつ当事者どうしが対等な立場で支え合う集まりである。生活技能訓練は、専門職が手順に沿って進める訓練にあたる。
- 4
精神分析の考え方を応用したプログラムである。不正解
もとになっているのは学習理論にもとづく行動療法である。精神分析は無意識の葛藤を扱う別の考え方で、練習を積み重ねる形はとらない。
📚 ここも一緒におさえておこう
精神科のリハビリテーションは、名称と目的を入れ替えて問われる。何をする場なのかを対にして覚えよう。 なお生活技能訓練は、現在は社会生活スキルトレーニングという呼び方に改められている(診療報酬上の名称は「入院生活技能訓練療法」のまま)。
- 作業療法=作業や活動を通して生活のリズムと集中する力を取り戻す
- 精神科デイケア=日中通って活動に参加し、再発を防ぎながら社会参加を進める
- 心理教育=病気や薬について本人と家族が学び、対処の仕方を身につける
参考: 系統看護学講座 精神看護学/SST普及協会
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について