第105回 看護師国家試験 午前 問28 解説
📝 問題
一次脱水でみられるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 一次脱水では尿量が減少する。
一次脱水(水欠乏性脱水)は、発熱や発汗、水分がとれないことで水が主に失われる脱水である。 水が減るぶん血液は濃くなるので、血漿浸透圧と血中のナトリウム濃度が上がる。 これを視床下部が感じ取ると、下垂体後葉からバソプレシン(抗利尿ホルモン)が多く出る。腎臓で水の再吸収が進むため、尿量は減り、尿は濃くなる。強い口渇も同じ仕組みで起こる。
一方、下痢や嘔吐でナトリウムが主に失われるのが二次脱水(ナトリウム欠乏性脱水)で、血漿浸透圧は下がり、口渇は軽く、循環血液量が減って血圧低下や立ちくらみが起こる。
血漿浸透圧とは
血液の液体部分にどれだけ粒子が溶けているかという濃さ。水が減ると上がり、水が増えると下がる。
- 1
尿量の減少正解
バソプレシンが多く出て腎臓での水の再吸収が進むため、尿量は減り、色の濃い尿になる。
- 2
血漿浸透圧の低下不正解
逆。水が先に失われて血液が濃くなるので、血漿浸透圧は上がる。浸透圧が下がるのは、ナトリウムが主に失われる二次脱水のほう。
- 3
バソプレシンの分泌の抑制不正解
逆。血漿浸透圧が上がったことを視床下部が感じ取り、バソプレシンの分泌はむしろ増える。
- 4
血漿ナトリウムイオン濃度の低下不正解
逆。水が失われた分だけナトリウムの濃度は高くなる。濃度が下がるのは二次脱水のほう。
📚 ここも一緒におさえておこう
脱水は、高齢者でなぜ起こりやすいか、どこで気づくかをセットで問われる。蓄えが少ない・渇きを感じにくい・尿を濃くする力が落ちる、の3つが起こりやすさの理由になる。
- 体液が体重に占める割合は成人約60%、高齢者約50%。蓄えが少ないぶん、少し失っただけで脱水になる
- 高齢者は口渇を感じにくいうえに、腎臓が尿を濃くする力も落ちるため、気づかないうちに水分を失う
- 早く気づく手がかりは、口の中の乾き、皮膚をつまんだ跡が戻りにくい(ツルゴールの低下)、尿量の減少、体重の減り方
参考: 標準的な解剖生理学(体液の調節と脱水の分類)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について