第105回 看護師国家試験 午前 問27 解説
📝 問題
血管に吻合がないのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 血管どうしの吻合がないのは冠動脈である。
吻合とは、となりあう血管どうしが枝でつながっていることをいう。つながりがあれば、1本が詰まっても別の道から血液が回り込める(側副血行路)。
冠動脈にはこのつながりがほとんどなく、機能的終動脈とよばれる。1本が詰まるとその先の心筋に血液が届かず、心筋梗塞として壊死してしまう。冠動脈の閉塞がすぐ命に関わるのはこのためである。
皮静脈・膝窩動脈・腸絨毛の毛細血管は、いずれも互いにつながって網目をつくる。1本が使えなくなっても迂回路があり、その先がただちに壊死することはない。
- 1
皮静脈不正解
皮静脈は皮下で互いにつながり、網目状の流れをつくる。採血や点滴で一部を使っても、血液は別の道を通って戻る。
- 2
冠動脈正解
冠動脈は互いのつながりがほとんどなく、1本が詰まるとその先の心筋へ血液が届かなくなる。心筋梗塞が起こるのはこのため。
- 3
膝窩動脈不正解
膝窩動脈は膝の周りで枝どうしがつながり、膝関節動脈網をつくる。膝を深く曲げても下肢への血流が保たれる。
- 4
腸絨毛の毛細血管不正解
腸絨毛の毛細血管は互いにつながって網をつくり、吸収した栄養を集めて門脈へ送る。
📚 国試でよく狙われるところ
吻合は「詰まったときに迂回路があるか」で問われる。吻合がない血管が詰まればその先は梗塞になる、とつなげて覚えよう。
- 吻合が乏しい血管=冠動脈・網膜中心動脈・腎動脈・脾動脈。詰まるとその先の組織が壊死する
- 吻合が豊富な血管=手掌動脈弓・膝関節動脈網。1本が詰まっても迂回路があり血流が保たれる
- 吻合が育つ場合=冠動脈の狭窄がゆっくり進んだときなど。時間をかけて側副血行路ができる
参考: 標準的な解剖生理学(血管の吻合と終動脈)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について