第105回 看護師国家試験 午前 問12 解説
📝 問題
臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 脳死の判定基準に含まれるのは平坦脳波である。
脳死は脳幹を含む脳全体の機能が元に戻らない形で失われた状態をいう。臓器の移植に関する法律にもとづく法的脳死判定では、次の5項目をすべて確かめる。 ・深昏睡 ・瞳孔の散大・固定 ・脳幹反射の消失 ・平坦脳波 ・自発呼吸の消失(無呼吸テスト)
これを6時間以上あけて2回行う(6歳未満は24時間以上)。低体温や薬物の影響があると脳の働きを正しく測れないため、それらを除いてから判定を始める。
脳幹反射とは
対光反射や角膜反射など、脳幹が担っている反射のこと。脳幹が働かなくなると、これらがすべて消える。
- 1
低体温不正解
体温が低いと脳の働きが抑えられて正しく判定できない。判定の前に除いておく条件であって、基準そのものではない。
- 2
心停止不正解
脳死は心臓が動いている状態で判定する。心臓が止まった状態は心臓死とよび、別のものとして扱う。
- 3
平坦脳波正解
大脳の電気活動が失われたことを示す所見で、5項目の1つに含まれる。
- 4
下顎呼吸不正解
死が近づいたときにみられる呼吸の形で、自発呼吸が残っていることを意味する。脳死では自発呼吸そのものが消える。
📚 混同しやすいので注意
脳死と植物状態は、どこの機能が残っているかを入れ替えて問われる。自分で呼吸できるかで見分け、判定の手続きも一緒におさえよう。
- 脳死は脳幹を含む全脳の機能が失われた状態で、自発呼吸がない。回復することはない。
- 植物状態は大脳の機能が失われても脳幹が働いているため、自発呼吸がある。
- 法的脳死判定は、移植に関わらない2名以上の医師が行う。平成21年(2009年)の法改正が平成22年(2010年)7月に全面施行され、本人の意思が不明でも家族の承諾で提供でき、15歳未満からの提供もできるようになった。
参考: 臓器の移植に関する法律/「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(法的脳死判定基準)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について