第105回 看護師国家試験 午前 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。 Aさんに認められるのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 飲酒量が増え続けていることから、Aさんにはアルコールに対する耐性が認められる。
Aさんは長期間の大量飲酒を続け、半年前からは朝も飲むようになって飲酒量がさらに増えていた。 同じ量では以前ほど酔えなくなり、酔うために量が増えていく。これが耐性である。
他の3つは、記載と合わない。 診察時のAさんは意識清明で見当識障害もなく、病的酩酊やコルサコフ症候群を思わせる所見はない。妻とは不仲で、飲酒を支えるような関係も読み取れない。
- 1
病的酩酊不正解
病的酩酊は、少量の酒でも意識がもうろうとし、興奮や幻覚が現れる異常な酔い方をいう。Aさんは診察時に意識清明である。
- 2
妻との共依存不正解
共依存は、周りの人が飲酒の後始末を引き受け、結果として飲み続けられる状態を支えてしまう関係をいう。Aさんは妻と不仲で、この関係にはない。
- 3
コルサコフ症候群不正解
コルサコフ症候群はビタミンB1の欠乏で起こり、新しいことを覚えられない記銘力障害と作話が残る。見当識障害のないAさんには当てはまらない。
- 4
アルコールに対する耐性正解
同じ量では酔えなくなり、酔うために量が増えていくのが耐性である。半年で飲酒量がさらに増えたことがその表れになる。
📚 混同しやすいので注意
アルコールによる状態は、「酔っているとき」「酒が切れたとき」「長く飲み続けた結果」のどれかを入れ替えて問われる。場面と症状を対にして覚えよう。
| 状態 | 特徴 |
|---|---|
| 耐性 | 同じ量では酔えなくなり、飲酒量が増えていく |
| 精神依存 | 飲みたい気持ちを抑えられない(渇望) |
| 身体依存 | 酒が切れると手のふるえや発汗などの離脱症状が出る |
| 病的酩酊 | 少量でも意識障害や興奮が起こり、記憶が抜ける |
| コルサコフ症候群 | ビタミンB1の欠乏による記銘力障害と作話 |
参考: 厚生労働省 e-ヘルスネット(アルコール)/精神看護学テキスト(アルコール使用障害)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について