第104回 看護師国家試験 午後 問88 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

精神科病棟における身体拘束時の看護で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・5

💡 解説

✅ 身体拘束では拘束の理由を説明し、早期の解除を目指す看護計画を立てる。

身体拘束は、患者の生命を守るためにほかに方法がないときに限って行う、一時的な処置である。 始めるかどうかを判断できるのは精神保健指定医で、理由と開始・終了の日時を診療録に残す。 患者には、なぜ拘束するのかを本人に分かる言葉で説明する。 解除は早いほどよいので、いつ・どうなれば外せるかを見通した看護計画を立て、状態を評価しながら進める。

ほかの選択肢は、患者の安全と権利を損なう。 身体拘束中は原則として常に観察することが求められており、1時間ごとの訪室では足りない。 水分を控えると脱水から血栓ができやすくなり、手紙のやり取りはどんな場合も制限できない。

精神保健指定医とは

精神科で一定の経験を積み、厚生労働大臣が指定した医師。本人の同意によらない入院や、隔離・身体的拘束を行うかどうかを判断する。

  • 1

    1時間ごとに訪室する。不正解

    身体拘束中は原則として常に観察することが求められる。1時間ごとの訪室では、循環障害や窒息の徴候を見逃す。

  • 2

    拘束の理由を説明する。正解

    なぜ拘束が必要かを本人に分かる言葉で伝え、説明した内容を診療録に記録する。

  • 3

    水分摂取は最小限にする。不正解

    逆。動けない状態で水分が減ると血液が固まりやすくなり、深部静脈血栓症から肺血栓塞栓症を起こす危険がある。水分は積極的にすすめる。

  • 4

    患者の手紙の受け取りを制限する。不正解

    信書(手紙)のやり取りは、どんな場合も制限できないと定められている。人権擁護に関する行政機関の職員や、代理人である弁護士との電話・面会も同じである。

  • 5

    早期の解除を目指すための看護計画を立てる。正解

    拘束は最短にするのが原則で、何がどうなれば外せるかを計画に書き、繰り返し評価する。

📚 国試でよく狙われるところ

行動制限は「誰が決めるか」と「どこまで制限できるか」が問われる。制限できないものを先に覚えると迷わない。

  • どんな場合も制限できないもの=信書の発受、人権擁護に関する行政機関の職員や代理人である弁護士との電話・面会
  • 隔離・身体的拘束を始める判断ができるのは精神保健指定医だけ。ただし12時間を超えない隔離は指定医でなくてもよい
  • 2024年4月施行の改正精神保健福祉法で、精神科病院での虐待を発見した人は都道府県などへ通報することが義務づけられた

参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(行動の制限の基準)/精神看護学(行動制限と看護)の教科書

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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