第104回 看護師国家試験 午後 問76 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

自己管理を行う上で自己効力感を高める支援として最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 自己管理で改善できた点を認めて伝えることが、自己効力感を高める支援になる。

自己効力感は「自分にもやれそうだ」という見通しのことで、これがあると自己管理が続く。 土台になるのは、小さな成功体験と、それを周りの人が言葉で認めることである。 改善できた点を見つけて伝えると、患者は「できている」と実感でき、次の行動につながる。

ほかの選択肢は、いずれも「できない」という感覚を強めてしまう。 高すぎる目標や多すぎる知識は負担になり、うまくいかない点をそのたびに指摘されると自信が削られる。 できない理由を話したときに話題を変えるのは、患者が言いかけた困りごとを打ち切る対応である。

  • 1

    自己管理の目標はできるだけ高くする。不正解

    達成が難しい目標は失敗の体験を重ねさせ、自信を失わせる。少し努力すれば届く高さの目標を、患者と一緒に決める。

  • 2

    必要な知識をできるだけ多く提供する。不正解

    知っている量と実行できるかどうかは別で、情報が多いほど負担になる。いまの生活で使える範囲に絞って伝える。

  • 3

    自己管理の方法で不適切な点はそのたびに指摘する。不正解

    そのたびの指摘は「できていない」という体験の積み重ねになる。できている点を先に認めたうえで、直す点は一度に1つにする。

  • 4

    自己管理で改善できた点が少しでもあればそれを評価する。正解

    小さな改善を認められることが成功体験となり、次も続けられそうだという見通しにつながる。

  • 5

    対象者が自己管理できない理由を話したときは話題を変える。不正解

    話題を変えるのは、患者が言いかけた困りごとを聴かずに終わらせる対応。理由を聴き取ることが、実行を妨げているものを一緒に取り除く手がかりになる。

📚 国試でよく狙われるところ

自己効力感は、4つの高め方のうちどれに当たるかを事例で問われる。場面と名前を対にして覚えよう。

  • 成功体験(遂行行動の達成)=自分でやってできた経験。4つのなかで最も強く効く
  • 代理的経験=同じ病気の人がうまくやっている姿を見る。患者会やピアサポートがこれにあたる
  • 言語的説得=「できている」と周りから認められる。看護師の声かけがこれにあたる
  • 生理的・情動的状態=体調がよい、緊張がほぐれているなど、体と気持ちが落ち着いていること

参考: 成人看護学(慢性期看護)の教科書/Bandura〈バンデューラ〉の自己効力理論

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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