第104回 看護師国家試験 午後 問75 解説
📝 問題
災害発生後、避難先の体育館で生活を始めた高齢者への対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 体育館での避難生活では、高齢者が寝起きする場所をトイレの近くに確保する。
避難所では、トイレが遠い・和式で使いにくいというだけで、高齢者は水分を控えてしまう。 その結果、脱水や便秘が起こり、動かないことと重なって深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)につながる。 夜間に暗い中を長い距離歩くことになり、転倒の危険も高まる。
寝起きする場所をトイレの近くに確保すると、この一続きの危険をまとめて減らせる。
残る3つは、危険な行為をすすめたり、体を動かす機会や人との関わりを奪ったりしている。
深部静脈血栓症とは
足の深いところを通る静脈に血栓(血の塊)ができる状態。血栓がはがれて肺の血管に詰まると命に関わる。
- 1
トイレに近い場所を確保する。正解
トイレが近ければ、我慢することも水分を控えることも減り、夜間の移動も短くて済む。通路の明かりや手すりもあわせて整える。
- 2
持参薬を回収して被災者に分ける。不正解
処方された薬は、その人のために出されたものである。ほかの人に分けると、量や飲み合わせが合わず健康を害する。足りない薬は救護所や薬剤師に相談する。
- 3
区画された範囲内で過ごすよう促す。不正解
動かない時間が長くなると足の筋力が落ち、静脈に血栓もできやすくなる。1日に数回は歩く、足首を動かすなど、体を動かす機会をつくる。
- 4
私語を控えて館内の静穏が保てるように指導する。不正解
声をかけ合うことは孤立を防ぎ、体調の変化に気づく手がかりにもなる。静けさは夜間の就寝時間で整え、日中の会話まで抑えない。
📚 ここも一緒におさえておこう
避難所の高齢者は、動かないこと・環境の危険・集団生活での感染で体調を崩す。この3つに分けて備えを覚えよう。
- 生活不活発病(廃用症候群)を防ぐため、日中は立つ・歩く時間をつくり、片づけなどの役割をもってもらう
- 段差や暗い通路は転倒のもとになる。寝る場所からトイレまでを明るくし、通り道に物を置かない
- 大勢が同じ空間で過ごすため、手洗いと換気、体調不良の早めの申し出で感染の広がりを防ぐ
参考: 内閣府 避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針/系統看護学講座 看護の統合と実践
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について