第104回 看護師国家試験 午後 問50 解説
📝 問題
呼吸困難を訴えて来院した患者の動脈血液ガス分析は、pH 7.32、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉72 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉50 Torr、HCO3- 26.0 mEq/Lであった。 このときのアセスメントで適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 二酸化炭素を吐き出せずにたまっており、肺胞低換気が起きている。
血液ガスはpH→二酸化炭素分圧→重炭酸イオンの順に読む。 pHは7.32で基準の7.35〜7.45より低く、血液は酸性に傾いている。 動脈血炭酸ガス分圧は72 Torrで基準の35〜45より高く、重炭酸イオンは26.0 mEq/Lで基準の22〜26のなかにある。 酸性に傾いた原因が二酸化炭素の増加だけなので呼吸性アシドーシスである。 二酸化炭素を吐き出せていない状態、つまり肺胞低換気が起きている。動脈血酸素分圧も50 Torrと低く、換気が足りない状態と合う。
他の3つは、値の動く向きが合わない。
Torr〈トル〉とは
圧力の単位。1 Torrは1 mmHgと同じで、血液ガスの値では同じ意味で使われる。
- 1
肺胞低換気正解
二酸化炭素分圧が高く、重炭酸イオンは基準内。肺胞でのガス交換に見合う換気量が保てていない状態を示す。
- 2
過換気症候群不正解
過換気症候群は息をしすぎて二酸化炭素が抜けていく状態。二酸化炭素分圧は下がり、pHは上がる。
- 3
代謝性アシドーシス不正解
代謝性アシドーシスは重炭酸イオンが減ってpHが下がる状態。本問の重炭酸イオンは基準の範囲にある。
- 4
呼吸性アルカローシス不正解
呼吸性アルカローシスは二酸化炭素分圧が下がってpHが上がる状態。本問はpHも二酸化炭素分圧も逆を向いている。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
血液ガスは4つの型のどれかを答えさせる形で出る。pHがどちらへ振れたかを先に見て、原因が二酸化炭素か重炭酸イオンかで型を決めよう。
| 型 | pH | 動いている値 | 代表的な原因 |
|---|---|---|---|
| 呼吸性アシドーシス | 低い | 二酸化炭素分圧が上昇 | 慢性閉塞性肺疾患の増悪、呼吸抑制 |
| 呼吸性アルカローシス | 高い | 二酸化炭素分圧が低下 | 過換気症候群、強い不安や痛み |
| 代謝性アシドーシス | 低い | 重炭酸イオンが低下 | 糖尿病ケトアシドーシス、腎不全、激しい下痢 |
| 代謝性アルカローシス | 高い | 重炭酸イオンが上昇 | 激しい嘔吐、利尿薬 |
参考: 標準的な臨床検査学・呼吸器病学(動脈血液ガス分析の読み方)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について