第104回 看護師国家試験 午後 問30 解説
📝 問題
糖尿病神経障害で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 糖尿病による自律神経の障害は、低血糖の前ぶれの症状を消し、無自覚性低血糖を招く。
血糖が下がりはじめると、ふつうは交感神経が働いて動悸・発汗・手のふるえといった前ぶれの症状が出る。これに気づいて糖分をとることで、意識を失うほどの低血糖を避けられる。
糖尿病で自律神経が障害されると、この前ぶれが出なくなる。気づかないまま意識障害やけいれんに至るのが無自覚性低血糖で、運転中や入浴中に起これば命に関わる。 低血糖をくり返している人ほど起こりやすいため、血糖を下げすぎない目標に見直す。
無自覚性低血糖とは
低血糖になっても、動悸や発汗などの前ぶれが出ないまま意識障害に進む状態。周囲も気づけないため、家族にも対処法を伝えておく。
- 1
運動神経は温存される。不正解
障害されるのは感覚神経が中心だが、進むと運動神経にも及び、足の筋力低下やこむら返り、足の変形が起こる。
- 2
感覚障害は中枢側から起こる。不正解
逆。足の指先など体の端から左右対称に始まり、しだいに上へ広がる。手袋と靴下をはいた部分の形に似ることから手袋靴下型とよばれる。
- 3
三大合併症の中では晩期に発症する。不正解
逆。三大合併症のうち神経障害が最も早く現れる。
- 4
自律神経障害は無自覚性低血糖に関与する。正解
低血糖のときに出るはずの動悸や発汗が起こらず、気づかないまま意識障害に進む。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
糖尿病の合併症は、出てくる順番と日々の観察点が問われる。「しめじ」「えのき」の語呂で、細い血管と太い血管に分けて覚えよう。
- 細い血管の障害はしめじの順=神経(し)→網膜(め)→腎臓(じ)。神経障害が最も早く現れる
- 太い血管の障害はえのき=壊疽(え)・脳血管障害(の)・虚血性心疾患(き)
- 足の観察は毎日行う。感覚が鈍って傷に気づかないため、靴の中の異物や爪の状態まで確かめる
参考: 日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド/系統看護学講座 成人看護学 内分泌・代謝
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について