第104回 看護師国家試験 午前 問88 解説
📝 問題
喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者でみられるのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 喉頭を摘出して気管孔を造ると、においが分かりにくくなり、飲み込んだ食物が鼻へ逆流しやすくなる。
喉頭を全部取ると、気管の断端を首の前に縫いつけて気管孔を作る。 息はすべてこの穴を出入りするようになり、鼻や口を空気が通らなくなる。 においのもとが鼻の奥の嗅細胞まで届かなくなるので、においが分かりにくくなる。味も薄く感じやすい。
飲み込み方も変わる。 喉頭がなくなると、食物を食道へ送り込む力が落ち、軟口蓋が鼻咽腔をふさぐはたらきも弱くなるため、食べ物や飲み物が鼻へ逆流することがある。
一方で気道と食道は完全に分かれるので、誤嚥は起こらなくなる。 声帯もなくなって声が出せなくなるため、代わりの話し方を練習することになる。
気管孔とは
気管を首の前へ直接開いた穴。喉頭を全部取ったあとは、息の出入り口がここだけになる。
- 1
誤嚥をしやすい。不正解
逆。気管孔によって気道と食道が完全に分かれるため、飲み込んだものが気管へ入る誤嚥は起こらなくなる。
- 2
咀嚼がしにくい。不正解
歯・舌・顎はそのまま残るので、噛む動きは手術の前後で変わらない。
- 3
においが分かりづらい。正解
鼻を空気が通らなくなり、においのもとが嗅細胞まで届かなくなる。
- 4
高い音が聞こえにくい。不正解
聞こえに関わる部位は手術の範囲に含まれず、聴力は変わらない。
- 5
飲み込んだ食物が鼻に逆流しやすい。正解
食物を食道へ送り込む力が落ち、軟口蓋が鼻咽腔をふさぐはたらきも弱まるため、飲み込んだものが鼻へ回ることがある。
📚 ここも一緒におさえておこう
喉頭全摘出術は、失われる働きとその代わりをどう作るかがセットで問われる。声・におい・気道の3つで整理しよう。
- 声の代わりは食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声の3つ。練習すれば話せるようになることを術前から伝える
- 気管孔から入る空気は鼻を通らず乾いているので、加湿と気管孔を覆うカバーで痰が固まるのを防ぐ
- 入浴やシャワーでは水が気管孔に入らないよう、専用のカバーで守る
参考: 系統看護学講座 成人看護学 耳鼻咽喉
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について