第104回 看護師国家試験 午前 問63 解説
📝 問題
妊娠中の母体の要因が胎児に及ぼす影響について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 妊娠初期に母親が風疹にかかると、胎児に先天性心疾患が起こることがある。
妊娠初期は胎児の器官がつくられる時期で、この時期の感染や薬物の影響が形の異常として残りやすい。 母親が妊娠20週ごろまでに風疹にかかると、ウイルスが胎盤を通って胎児に感染し、先天性風疹症候群を起こす。三大症状は先天性心疾患・難聴・白内障である。
他の選択肢は原因と結果の組合せが入れ替わっている。 飲酒で生じるのは体が小さく育つ方向の影響で、喫煙は低出生体重や早産につながる。 神経管の形成障害に関わるのは葉酸の不足、ビタミンAのとりすぎで問題になるのは胎児の形の異常である。
- 1
飲酒の習慣による巨大児不正解
逆。妊娠中の飲酒は胎児の発育を妨げ、小さく生まれて発達も遅れやすくなる。大きく育つのは母体が糖尿病のときである。
- 2
喫煙による神経管形成障害不正解
喫煙は胎盤の血流を減らし、低出生体重・早産・常位胎盤早期剝離を増やす。神経管の形成障害に関わるのは葉酸である。
- 3
妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患正解
妊娠初期の風疹感染では、先天性心疾患・難聴・白内障を主症状とする先天性風疹症候群が起こる。
- 4
ビタミンAの過剰摂取による低出生体重児不正解
ビタミンAを妊娠初期に多くとりすぎると、胎児に形の異常が起こる危険が高まる。体重が小さくなる向きの影響ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
妊娠中の感染は、風疹以外も原因と胎児に出る症状を入れ替えて問われる。トキソプラズマ・その他(梅毒など)・風疹・サイトメガロウイルス・単純ヘルペスの頭文字をとったTORCHで束ねて覚えよう。
- トキソプラズマ=加熱が不十分な肉や猫の糞便から感染し、水頭症や脈絡網膜炎を起こす
- 梅毒=胎盤を通って感染し先天梅毒を起こす。妊娠初期の血液検査で調べる
- サイトメガロウイルス=難聴、小頭症、精神運動発達の遅れの原因になる
- 単純ヘルペスウイルス=産道で感染すると新生児ヘルペスを起こすため、分娩時に病変があれば帝王切開を選ぶ
参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる 産科』
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について