第104回 看護師国家試験 午前 問57 解説
📝 問題
Aさん(75歳、女性)は、自立した生活を送っている。尿失禁があるため、尿失禁用パッドを使用している。大腿内側部と外陰部の掻痒感を訴え、皮膚科を受診し、外陰部掻痒症と診断された。このときの指導内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 尿失禁用パッドの交換頻度を増やし、皮膚がぬれている時間を短くする。
尿のついたパッドを長く当てていると、皮膚が水分でふやけて(浸軟)もろくなり、尿のアンモニアで刺激を受けてかゆみが出る。外陰部掻痒症の原因はここにある。
いちばん先に行うのは、ぬれている時間を短くすることである。パッドをこまめに交換し、そのつどぬるま湯で洗って押さえるように水気をとり、乾いてから新しいパッドを当てる。
他の選択肢は、かゆみをかえって強める。水分を控えると尿が濃くなって刺激が増し、脱水や尿路感染も招く。間欠的自己導尿は尿を出せない人の方法で、自分で排尿できるAさんには当てはまらない。アルコールは皮膚の油分を奪って乾燥させる。
浸軟とは
皮膚が長く水分にさらされてふやけ、こすれや刺激で傷つきやすくなった状態。
- 1
水分摂取を控える。不正解
水分を控えると尿が濃くなって皮膚への刺激が強まり、脱水や尿路感染も起こしやすい。かゆみがあっても水分は十分にとる。
- 2
間欠的自己導尿を行う。不正解
間欠的自己導尿は、尿がたまっても自分では出せない人がカテーテルを入れて出す方法である。Aさんは排尿できており、対象にならない。
- 3
尿失禁用パッドの交換頻度を増やす。正解
交換の間隔を短くすると皮膚がぬれている時間が減り、ふやけと刺激を抑えられる。交換のたびに洗って乾かす。
- 4
搔痒感のある部位をアルコール綿で清拭する。不正解
アルコールは皮膚の油分を奪って乾燥させ、傷があればしみる。ぬるま湯と弱酸性の洗浄剤でやさしく洗う。
📚 国試でよく狙われるところ
失禁による皮膚のトラブルは、刺激を足す方法が誤りの肢として並ぶ。守るのは、ぬれた時間を短くすることだと決めておこう。
- 洗うときは弱酸性の洗浄剤を泡立て、こすらずに洗い流す。
- 水気は押さえ拭きでとり、こすらない。
- サイズの合ったパッドと通気性のよい下着を選び、締めつけない。
参考: 系統看護学講座 老年看護学/系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について