第104回 看護師国家試験 午前 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(20歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、1人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。Aさんの両親がAさんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。Aさんは「1日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。Aさんは、統合失調症と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。Aさんは5日目ころから日中は臥床して過ごし、夜間は熟睡するようになった。食事の時間に遅れてくることが多く、看護師の声かけにほとんど反応しない。他の患者との交流もない。 この時期の看護師の対応として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 激しい症状がおさまったあとの消耗した時期であり、日中の休息をそのまま保つ。
入院時のAさんは、幻覚や妄想で叫び続ける急性期だった。 薬が効いて症状が落ち着くと、次に消耗期(休息期)が来る。 激しい症状に心身のエネルギーを使い果たした状態で、日中も臥床し、声をかけても反応が乏しく、人との交わりも減る。
これは怠けや悪化ではなく、回復の途中に必ず通る過程である。 この時期は休息を保証することが治療そのもので、Aさんが眠りたいだけ眠れるようにする。
他の3つは、いまのAさんに刺激と負担を加える。
消耗期とは
急性期の激しい症状がおさまったあとに訪れる、心身のエネルギーを使い果たした時期。眠り続けたり動けなくなったりする。
- 1
食事摂取の介助をする。不正解
Aさんは食事の時間に遅れてくるだけで、自分で食べることはできている。できていることを取り上げると、回復する力を奪う。
- 2
作業療法への参加を促す。不正解
作業療法は、活動する意欲が戻ってくる回復期に勧めるもの。消耗期に参加を促すと疲れを深め、症状の再燃につながる。
- 3
日中の休息時間を維持する。正解
日中の臥床は、急性期に使い果たしたエネルギーを取り戻すための休息である。そのまま続けられるようにする。
- 4
食事時間を守るよう注意する。不正解
生活リズムを整えるのは回復期の課題である。いまは注意されること自体が負担になり、看護師との関係づくりも妨げる。
📚 国試でよく狙われるところ
統合失調症の看護は、時期と関わり方を入れ替えて問われる。安全→休息→生活の順に移ると覚えよう。
| 時期 | 状態 | 看護 |
|---|---|---|
| ①急性期 | 幻覚・妄想・興奮が強い | 安全を守り、刺激の少ない静かな環境で休めるようにする |
| ②消耗期(休息期) | 眠り続ける、動かない、意欲がわかない | 休息を保証する。無理に活動を促さない |
| ③回復期 | 身のまわりや将来に関心が戻る | 生活リズムを整え、作業療法や退院の準備へ進める |
参考: 統合失調症の経過別看護(精神看護学)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について