第103回 看護師国家試験 午後 問51 解説
📝 問題
頭蓋内圧亢進を助長するのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 便秘は排便時のいきみを招き、頭蓋内圧亢進を助長する。
頭蓋内は硬い頭蓋骨に囲まれ、脳・血液・脳脊髄液で満たされている。どれかが増えても逃げ場がないので、圧が上がる。 便秘があると排便のたびに強くいきむ。すると胸腔内圧と腹圧が上がり、頭から心臓への静脈の戻りがせき止められて、頭蓋内に血液がたまる。
他の選択肢はいずれも頭蓋内圧を下げる方向に働く。 低酸素と二酸化炭素の貯留は脳の血管を広げて圧を上げるので、酸素療法はそれを防ぐことになる。 浸透圧利尿薬は脳にたまった水分を血管の中へ引き込み、むくみを減らす薬である。 ファウラー位は上半身を45度程度起こした姿勢で、静脈の戻りをよくする。
浸透圧利尿薬とは
血管の中の濃度を高めて、組織にたまった余分な水分を血管へ引き戻す薬。脳のむくみを取り、頭蓋内圧を下げるために使う。
- 1
便秘正解
排便時のいきみは胸腔内圧と腹圧を上げ、頭からの静脈の戻りを妨げて頭蓋内圧を上げる。
- 2
酸素療法不正解
低酸素は脳の血管を広げて頭蓋内圧を上げる。酸素療法はそれを防ぐ側にある。
- 3
浸透圧利尿薬不正解
浸透圧利尿薬は脳のむくみを取り、頭蓋内圧を下げるために使う薬である。
- 4
Fowler〈ファウラー〉位不正解
ファウラー位は頭部を挙上して静脈の戻りをよくする姿勢で、頭蓋内圧を下げる。
📚 国試でよく狙われるところ
頭蓋内圧亢進は、症状と「してはいけないこと」を組にして問われる。圧を上げる行為をまとめて覚えよう。
- 三大症状は頭痛・嘔吐・うっ血乳頭。朝に強い頭痛と、吐き気を伴わない噴き出すような嘔吐が特徴。
- 進行すると血圧が上がって脈が遅くなるクッシング現象が現れる。脳ヘルニアが迫ったサイン。
- 圧を上げるのはいきみ・咳・くしゃみ・頸部の屈曲。便秘を防ぎ、下剤を使って排便を整えておく。
参考: 成人看護学(脳神経)の教科書
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について