第103回 看護師国家試験 午後 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(40歳、男性)は、大学1年生のときに統合失調症を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。 Aさんは1週間後に退院する予定だが「退院したら薬を飲むのはやめようかな」と看護師に話すことがある。時々幻聴に関して訴えがあり、睡眠が不規則になる。 退院後Aさんが利用するサービスで最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 自宅を訪ねて服薬と症状を続けて支える精神科訪問看護が最も適している。
Aさんが退院後にいちばん抱えやすいのは、薬を自分で続けられるかという課題である。「薬をやめようかな」と口にし、幻聴の訴えと睡眠の乱れも残っている。服薬の中断は統合失調症の再発に直結する。
精神科訪問看護は、看護師などが自宅を訪ねて、服薬の状況・症状・生活のリズムを一緒に確認し、変化があれば主治医につなぐ。20年ぶりの在宅生活を続けるうえで、いちばん必要な支えになる。
残る3つは、Aさんのいまの課題に届かない。
- 1
訪問介護不正解
訪問介護は入浴・食事・排泄の介助や家事の援助を行うサービス。Aさんは日常生活が自立しており、必要なのは服薬と症状への支援である。
- 2
精神科作業療法不正解
精神科作業療法は医療機関に通って作業活動を行うもので、Aさんは入院中から参加していた。退院後も通院して続けられるが、自宅での服薬管理を支えるはたらきはない。
- 3
精神科訪問看護正解
自宅で服薬の状況と症状を続けて確認でき、幻聴や睡眠の乱れの変化を早くつかめる。同居する両親からの相談にも応じられる。
- 4
訪問リハビリテーション不正解
訪問リハビリテーションは、理学療法士などが自宅を訪ねて体の機能や動作の回復をはかるもの。Aさんに身体機能の問題はなく、日常生活も自立している。
📚 国試でよく狙われるところ
精神科訪問看護は、誰が行けるか・何が要るか・費用はどこから出るかが問われる。「主治医の指示書があれば、本人だけでなく家族も支援の対象になる」と押さえよう。
- 訪問するのは看護師・保健師のほか、作業療法士や精神保健福祉士も含まれる
- 利用には主治医の精神科訪問看護指示書が必要で、費用は医療保険から支払われる
- 自立支援医療(精神通院医療)を使うと、通院や訪問看護の自己負担が原則1割になる
参考: 標準的な精神看護学(精神科訪問看護と地域生活支援)/障害者総合支援法(自立支援医療)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について