第103回 看護師国家試験 午前 問80 解説

📝 問題

Aさん(42歳、男性、事務職)は、仕事中に居眠りをすることが多いと上司に注意されていた。Aさんの睡眠時間は7時間であり、寝つきはよいが、毎朝寝不足と頭痛を感じていた。最近、いびきがひどいと家族から指摘されて受診した。Aさんは、身長165cm、体重81kgである。最も考えられるのはどれか。

✅ 正解

5

💡 解説

✅ いびきと日中の強い眠気、起床時の頭痛から最も考えられるのは睡眠時無呼吸症候群である。

Aさんは身長165cm・体重81kgで、体格指数(BMI)は約30と肥満にあたる。 肥満で首まわりに脂肪がつくと、眠っている間に上気道がふさがって呼吸が止まる。いびきは、その狭くなった気道を空気が通るときの音である。

呼吸が止まるたびに体は酸素不足になって目を覚まし、眠りが細切れになる。 睡眠時間は足りているのに日中の強い眠気が出て、夜間にたまった二酸化炭素のために起床時の頭痛が起こる。

他の選択肢も日中の眠気やだるさを起こすが、いびきや肥満とは結びつかない。 とくにナルコレプシーは眠気が共通するため、情動脱力発作があるかどうかで見分ける。

治療は減量が基本で、眠っている間に鼻から空気を送り込んで気道を広げる経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)を併せて行う。

CPAP〈シーパップ〉とは

鼻に当てたマスクから空気を送り込み、眠っている間に気道がふさがるのを防ぐ治療。睡眠時無呼吸症候群の中心となる治療法。

  • 1

    うつ病不正解

    うつ病は抑うつ気分や意欲の低下、興味の減退が中心で、寝つきの悪さや早朝覚醒を伴う。

  • 2

    低血糖症不正解

    低血糖症は空腹時に冷汗・動悸・手のふるえが出るもので、糖分をとると改善する。

  • 3

    もやもや病不正解

    もやもや病は脳の太い動脈が細くなる病気で、泣く・笛を吹くなど息を強く吐いたあとの脱力やしびれが特徴になる。

  • 4

    ナルコレプシー不正解

    ナルコレプシーは日中の強い眠気に加え、笑いや驚きで力が抜ける情動脱力発作を伴い、10歳代の発症が多い。

  • 5

    睡眠時無呼吸症候群正解

    肥満による上気道の閉塞で睡眠中の呼吸が止まり、いびき・日中の眠気・起床時の頭痛がそろう。

📚 混同しやすいので注意

日中の眠気を起こす病気は、いびきがあるかと発症する年代で見分けると迷わない。検査と治療まで対にして覚えよう。

  • 睡眠時無呼吸症候群=中年以降の肥満した人に多く、大きないびきを伴う。
  • ナルコレプシー=10歳代の発症が多く、情動脱力発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺を伴う。
  • 診断は終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で行い、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を数える。
  • 放置すると高血圧や心筋梗塞・脳卒中の危険が高まるため、治療を続ける。

参考: 睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン/日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン」

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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