第103回 看護師国家試験 午前 問47 解説
📝 問題
在宅医療が必要な患者の退院調整について適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 退院調整は、入院した時点から始める。
在宅で療養を続けるには、介護保険の申請、サービスの手配、住まいの手すりや段差の調整、家族への医療処置の指導と、日数のかかる準備がいくつも要る。 退院が決まってから動き出したのでは間に合わない。 入院した日から退院後の暮らしを見通し、多職種で準備を進める。
他の選択肢は、決める人と渡すものを取り違えている。退院後の生活を決めるのは本人と家族で、医師や看護師、介護支援専門員はそれを支える側にいる。訪問看護師へ渡すのは診療録そのものではなく、経過をまとめた書類である。退院前の訪問指導も診療報酬で評価されている。
看護サマリーとは
入院中の経過・行ったケア・退院後の注意点をまとめ、次に担当する人へ渡す書類。
- 1
医師が退院調整の決定権をもつ。不正解
退院後の暮らしを選ぶのは本人と家族。医師・看護師・介護支援専門員などは、選べるように情報と選択肢をそろえる側にいる。
- 2
退院調整は入院時から開始する。正解
在宅の準備には日数がかかる。入院した日から退院後を見通して動くことで、退院日に間に合う。
- 3
退院時に診療録を訪問看護師に渡す。不正解
診療録は医療機関が保管する記録で、そのまま渡すものではない。渡すのは、経過と退院後の注意点をまとめた看護サマリーや診療情報提供書。
- 4
退院前の訪問指導は診療報酬の評価の対象ではない。不正解
逆。退院前の訪問指導は退院前訪問指導料として診療報酬で評価されている。看護師などが自宅を訪れ、手すりの位置や動線を実際に見て助言する。
📚 ここも一緒におさえておこう
退院支援は「いつ始めるか」と「誰が何を引き継ぐか」で問われる。時期と書類を対にして覚えよう。
- 入院してすぐに、退院後に困りそうな要因(独居・医療処置・介護力の不足)を洗い出す
- 退院前カンファレンスで、病院と在宅の担当者が集まり、ケアの内容と役割を確認する
- 退院時には看護サマリーを訪問看護師や介護支援専門員へ渡し、経過と注意点を引き継ぐ
参考: 厚生労働省「診療報酬の算定方法」/系統看護学講座 在宅看護論
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について