第103回 看護師国家試験 午前 問100 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aさん(85歳、男性)は、5年前に脳梗塞を発症し右片麻痺があり、要介護3の認定を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のあるAさんの妻(80歳)が1人で介護している。Aさんは、週2日通所介護を利用している。Aさんの妻は「夜中にオムツを替えるために毎日起こされ、腹が立ちます」と通所介護の送り迎えを担当している看護師に訴えた。 最初にAさんの妻へ話しかける言葉で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 夜間の介護で眠れない妻には、まずそのつらさを受け止める言葉をかける。
Aさんの妻は80歳で腰痛があり、1人で介護を担っている。毎晩オムツ交換のために起こされて眠れず、「腹が立ちます」と口にした。これは介護の負担が限界に近いことを知らせる訴えである。
まずつらさをそのまま受け止める。受け止められたと感じて初めて、妻は困っていることを具体的に話せるようになり、夜間の負担を減らす相談へ進める。
残る3つは、助言・励まし・たしなめのいずれかで、受け止める前に先へ進めてしまう。
- 1
「主治医に相談しましょう」不正解
解決の手続きを先に出している。何にどう困っているかを聞く前に話を進めると、妻の気持ちが置き去りになる。
- 2
「これまで通り頑張りましょう」不正解
すでに限界に近い妻へ、さらに努力を求める言葉になる。
- 3
「夜眠れないと本当に大変ですね」正解
眠れない毎日のつらさを言葉にして返している。受け止められたと感じることで、妻は具体的な困りごとを話しやすくなる。
- 4
「Aさんはもっとつらいと思いますよ」不正解
妻の訴えを否定し、責める形になる。介護者の感情は、良し悪しを評価せずに受け止める。
📚 ここも一緒におさえておこう
家族の介護者は、支援の担い手であると同時に支援を受ける対象でもある。「まず受け止める→負担を確かめる→休める仕組みをつくる」の順で問われる。
- 介護者の疲れは、睡眠不足や感情の変化(腹が立つ・涙が出る)として先に表れる
- 介護者自身の健康(Aさんの妻の腰痛など)も支援の対象になる
- 介護者が休む時間をつくるレスパイトケア(短期入所や通所の利用)は、在宅療養を続けるための支援である
参考: 家族介護者への支援に関する標準的看護/在宅看護における介護負担のアセスメント
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について