第114回 看護師国家試験 午後 問62 解説
📝 問題
保護者による子どもへの虐待に対する外来の看護師の対応で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 子どもや保護者の発言や様子を、そのまま記録に残すことが適切である。
虐待が疑われるとき、外来の看護師に求められるのは見たこと・聞いたことをそのまま記録することである。誰がいつ何と言ったか、傷の場所・大きさ・色、けがの説明と実際の傷が合っているか。これらは後の通告や関係機関の判断のもとになる。
看護師が虐待かどうかを判断する必要はない。児童虐待防止法では、虐待を受けたと思われる子どもを見つけた人は市町村や児童相談所へ通告する義務があり、「確証」ではなく「疑い」の段階でよいとされている。この通告は守秘義務違反にはならない。
- 1
子どもの全身の観察では、保護者の同意を得る必要がある。不正解
虐待が疑われる場合の全身の観察は診療の一環であり、保護者の同意が必須ではない。同意がないからと省くと、服に隠れた背部・臀部・耳の後ろなどの傷を見落とす。
- 2
プライバシー保護のため、他職種との情報共有はしない。不正解
逆である。虐待は1人・1機関では抱えられず、医師・ソーシャルワーカー・保健師・児童相談所・学校などと情報を共有して支援する。
- 3
子どもや保護者の発言内容や様子を記録に残す。正解
発言は要約せず、できるだけそのままの言葉で残す。傷の場所・大きさ・色、説明との食い違い、子どもの表情や保護者との関わり方も、推測を交えず事実として書く。
- 4
保護者の同席のもと子どもから話を聞く。不正解
保護者が同席していると、子どもは本当のことを話しにくい。子どもから話を聞くときは保護者と分け、安心できる場所で聞く。
📚 国試でよく狙われるところ
虐待の4類型と、通告のきまりは繰り返し問われる。
- 虐待の4類型=身体的虐待・性的虐待・ネグレクト(養育の放棄)・心理的虐待(子どもの前での夫婦間暴力を含む)
- 通告先=市町村・福祉事務所・児童相談所。全国共通ダイヤルは189(いちはやく)
- 通告は「虐待を受けたと思われる」段階でよく、結果として虐待でなくても通告した人が責任を問われることはない
- 疑うきっかけ=受診の遅れ、傷と説明が合わない、説明が変わる、けがを繰り返す、子どもが大人の顔色をうかがう
参考: 児童虐待の防止等に関する法律 第6条/こども家庭庁「子ども虐待対応の手引き」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について