第114回 看護師国家試験 午後 問53 解説
📝 問題
梅毒〈syphilis〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 梅毒は第2期に体幹の淡い紅色の斑(梅毒性バラ疹)が現れる細菌の感染症。
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌(スピロヘータの一種)による性感染症で、性的接触のほか、妊婦から胎児にも感染する。
感染して約3週で、痛みのないしこりや潰瘍とリンパ節のはれが出る(第1期)。約3か月後の第2期には、体幹を中心に淡い紅色の斑=梅毒性バラ疹が現れる。手のひらや足の裏の発疹、脱毛も加わるが、いずれも自然に消えるため、治ったと勘違いされやすい。
- 1
ワクチンによる予防が可能である。不正解
梅毒に効くワクチンはない。予防はコンドームの正しい使用と、早めの検査・治療である。
- 2
パートナーの検査は不要である。不正解
パートナーの検査は欠かせない。症状がなくても感染していることがあり、片方だけ治療しても何度も感染をやり取りしてしまう。
- 3
ウイルス感染症である。不正解
ウイルスではなく細菌による感染症である。だからペニシリンが効き、きちんと治療すれば治る。
- 4
ばら疹を認める。正解
第2期に体幹を中心に出る淡い紅色の斑を梅毒性バラ疹という。痛みも痒みもないことが多く、自然に消えるので見過ごされやすい。
📚 国試でよく狙われるところ
梅毒は報告数が急に増えており、届出の決まりと妊婦健診での扱いが問われやすい。
- 感染症法では5類感染症(全数把握)で、診断した医師は7日以内に届け出る
- 妊婦健診の初期に梅毒検査を行い、先天梅毒を防ぐ
- 治療を始めて数時間で発熱や悪寒が出ることがある(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)
| 病期 | 時期の目安 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 第1期 | 感染後約3週 | 初期硬結・硬性下疳(無痛性)、無痛性の鼠径リンパ節腫脹 |
| 第2期 | 感染後約3か月 | 梅毒性バラ疹、手のひら・足の裏の発疹、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛 |
| 潜伏梅毒 | — | 症状はないが血清反応は陽性 |
| 晩期 | 数年以降 | ゴム腫、心血管梅毒(大動脈瘤)、神経梅毒(進行麻痺・脊髄癆) |
参考: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(5類全数把握疾患)/日本性感染症学会 性感染症 診断・治療ガイドライン
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について