第114回 看護師国家試験 午後 問48 解説
📝 問題
臨死期にある患者に出現する呼吸の変化で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 臨死期には、無呼吸と深い呼吸を周期的に繰り返すチェーン-ストークス呼吸が現れる。
チェーン-ストークス呼吸は、無呼吸→だんだん深く速くなる→だんだん浅くゆっくりになる→また無呼吸という周期を繰り返す呼吸である。脳の呼吸中枢のはたらきが鈍り、血液が体をめぐる時間が延びることで起こる。
この呼吸は家族の目に「苦しそう」と映りやすい。意識が下がっていて本人の苦痛は少ないこと、自然な経過であることを前もって伝えておくと、家族の不安がやわらぐ。
- 1
過呼吸不正解
過呼吸は1回の換気量が増える状態で、過換気症候群や運動時にみられる。周期的な無呼吸は伴わない。
- 2
奇異呼吸不正解
奇異呼吸は、息を吸うときに胸がへこむなど胸と腹の動きが逆になるもので、胸郭の骨折や上気道の閉塞で起こる。
- 3
Kussmaul〈クスマウル〉呼吸不正解
クスマウル呼吸は深く大きい呼吸が規則正しく続くもので、体が酸性に傾いたときに息で埋め合わせようとする反応である。
- 4
Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸正解
無呼吸と、深さが増えては減る呼吸を周期的に繰り返す。臨死期のほか、重い心不全や脳血管障害でもみられる。
📚 一緒に確認しよう
死が迫ると、呼吸以外の徴候もそろって現れる。家族に説明する場面を思い浮かべて覚える。
- 臨死期の徴候=意識レベルの低下、下顎呼吸(下顎を動かして口をぱくぱくさせる)、死前喘鳴(のどのゴロゴロ音)
- 手足の冷たさ、チアノーゼ、皮膚のまだら模様、尿量の減少、手首の脈が触れにくくなる、血圧の低下
- 死前喘鳴には吸引を繰り返すより、体位の工夫と家族への説明を優先する
| 名称 | パターン | 主な原因 |
|---|---|---|
| チェーン-ストークス呼吸 | 無呼吸と漸増漸減する呼吸を周期的に繰り返す | 臨死期、重症心不全、脳血管障害、尿毒症 |
| ビオー呼吸(失調性呼吸) | 深さも間隔も不規則で、突然無呼吸になる | 延髄の障害、髄膜炎、脳幹病変 |
| クスマウル呼吸 | 深く大きい呼吸が規則的に続く | 代謝性アシドーシス(糖尿病ケトアシドーシス、尿毒症) |
| 下顎呼吸 | 下顎を動かして口をぱくぱくさせる | 死亡直前 |
| 起坐呼吸 | 臥位で増悪し坐位で楽になる | 左心不全、気管支喘息 |
参考: 日本緩和医療学会 終末期がん患者の輸液療法・症状マネジメントに関するガイドライン
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について