第114回 看護師国家試験 午後 問45 解説
📝 問題
成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。 正しいのはどれか。(※画像問題:別冊参照)
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 胸骨圧迫の部位は「胸骨の下半分」=図の④。
成人の胸骨圧迫は胸骨の下半分を押す。ここを押すと、胸骨と背骨のあいだで心臓が押しつぶされ、血液が効率よく送り出される。図でこの位置にあるのは④である。
実際の場面では「胸の真ん中」を目安に手掌基部を置き、みぞおちの先(剣状突起)にかかっていないことを確かめる。位置がずれると血液を送り出せないうえ、骨折や内臓の損傷を招く。
| 番号 | 位置 | 評価 |
|---|---|---|
| ① | 右鎖骨のすぐ下・胸骨より外側(右上前胸部) | 誤り。肋骨・鎖骨の上で、心臓を有効に圧迫できない |
| ② | 左前胸部・胸骨より外側(肋骨の上) | 誤り。力が肋骨に集中し骨折や気胸を招く |
| ③ | 胸骨の下端(剣状突起) | 誤り。剣状突起の骨折と肝損傷の危険 |
| ④ | 胸骨の正中線上・下半分 | 正しい。成人の胸骨圧迫部位 |
図は前胸部を正面から見たもので、鎖骨・胸骨・剣状突起・肋骨弓が描かれている。
- 1
①不正解
①は右鎖骨のすぐ下で、胸骨より外側にあたる。心臓の上ではなく骨の上を押すことになり、血液を送り出せない。
- 2
②不正解
②は左前胸部で、胸骨より外側の肋骨の上。力が肋骨に集中して骨折や気胸を起こしやすい。
- 3
③不正解
③は胸骨の下端=剣状突起の位置。ここを押すと剣状突起が折れ、すぐ下の肝臓を傷つける危険がある。
- 4
④正解
④は胸骨の正中線上の下半分で、成人の圧迫部位として正しい。左右の乳頭を結ぶ線と胸骨が交わるあたりが目安になる。
📚 これとセットで理解しよう
圧迫の位置・深さ・方法は年齢で変わる。表で並べて覚える。
- テンポは全年齢で100〜120回/分
- 圧迫と人工呼吸の比は30:2(小児・乳児で救助者が2人以上なら15:2)
- 圧迫をゆるめるときは胸を完全に元へ戻す(もたれかからない)
- 中断は10秒以内。1〜2分ごとに交代して質を保つ
- 背中は硬い面に。ベッド上ではバックボードを入れる
| 対象 | 圧迫部位 | 深さ | 方法 |
|---|---|---|---|
| 成人 | 胸骨の下半分 | 約5cm(6cmを超えない) | 両手を重ね手掌基部で、肘を伸ばし垂直に |
| 小児(1歳〜思春期) | 胸骨の下半分 | 胸の厚さの約1/3 | 片手または両手 |
| 乳児(1歳未満) | 胸骨の下半分(両乳頭を結ぶ線のすぐ下) | 胸の厚さの約1/3(約4cm) | 指2本法、または胸郭包み込み両母指圧迫法 |
参考: 日本蘇生協議会 JRC蘇生ガイドライン2020(BLS)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について