第114回 看護師国家試験 午後 問29 解説
📝 問題
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉で保護された高齢者が入所する社会福祉施設はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ やむを得ない事由による措置で入所するのは特別養護老人ホーム。
高齢者虐待防止法では、虐待によって生命や身体に重大な危険があるとき、市町村は高齢者を養護者から引き離して保護できる。このとき使われるのが、老人福祉法にもとづくやむを得ない事由による措置である。
入所先になるのが特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)と養護老人ホームで、どちらも老人福祉法に定められた施設である。介護保険の契約による入所ではなく、行政が決める措置だという点がポイント。短期入所の措置がとられることもある。
- 1
軽費老人ホーム不正解
低所得の高齢者が低額で生活する老人福祉施設だが、入所は本人と施設の契約による。措置の入所先ではない。
- 2
有料老人ホーム不正解
民間事業者との契約で入居する住まいで、社会福祉施設ではない。措置の対象にはならない。
- 3
特別養護老人ホーム正解
正しい。やむを得ない事由による措置入所の受け皿になる老人福祉施設である。
- 4
サービス付き高齢者向け住宅不正解
高齢者住まい法にもとづく登録制の賃貸住宅で、施設ではなく住宅である。措置の対象にはならない。
📚 国試でよく狙われるところ
通報の義務と努力義務の違いは繰り返し出題されている。
- 虐待を受けたと思われる高齢者を見つけた人には通報の努力義務。生命・身体に重大な危険があれば通報は義務
- 養介護施設の職員による虐待を見つけた場合は、危険の有無にかかわらず通報が義務
- 通報した人は守秘義務違反に問われず、通報を理由に不利益な扱いをすることも禁止されている
- 市町村は立入調査ができ、必要に応じて警察署長に援助を求められる
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 身体的虐待 | 暴力や拘束など、身体に外傷が生じる(またはそのおそれのある)行為 |
| 介護・世話の放棄(ネグレクト) | 食事や入浴の世話をしない、必要な医療・介護サービスを受けさせない |
| 心理的虐待 | 暴言・無視・嫌がらせによる著しい精神的苦痛 |
| 性的虐待 | わいせつな行為をする、またはさせる |
| 経済的虐待 | 年金や預貯金の無断使用、財産の不当な処分 |
参考: 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律/老人福祉法第11条
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について