第114回 看護師国家試験 午後 問118 解説

状況設定看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み118〜120の問いに答えよ。 午後1時に震度6強の地震が発生し、避難所が開設された。地震発生の2時間後、避難所に救護所が設置され、近隣の病院から医療救護班が派遣された。医療救護班が複数の被災者に対応するなか、Aさん(54歳、男性)が搬送されてきた。Aさんは右大腿部に4cmの切創があり出血部位をタオルで押さえている。すぐに看護師が切創部の処置を介助することになった。 このときの看護師の感染予防対策で正しいのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 血液が飛び散る可能性がある処置では、ゴーグルを装着して粘膜を守る。

感染対策の出発点は標準予防策である。すべての人の血液・体液・分泌物・排泄物・傷のある皮膚・粘膜を、感染性があるものとして扱う。

Aさんは右大腿部の切創からの出血をタオルで押さえている。洗浄や圧迫、縫合の介助では血液が跳ねることがあるので、手袋・エプロンに加えてマスクとゴーグル(またはフェイスシールド)を着ける。

災害時の救護所は物も水も限られるが、標準予防策の考え方は平時と変わらない。手指衛生と防護具の適切な使用が、救護者自身と他の被災者を守る。

  • 1

    ゴーグルを装着して処置の介助を行う。正解

    出血部位の処置では血液が飛び散りうるため、目の粘膜を守るゴーグルの装着が必要である。

  • 2

    使い捨て手袋を1時間ごとに交換する。不正解

    手袋の交換は時間ではなく患者ごと・処置ごとに行う。1時間ごとでは、その間に別の被災者に触れて感染を運んでしまう。

  • 3

    処置を行う前に破傷風(tetanus)のワクチンを受ける。不正解

    破傷風の予防が必要なのは、土などで汚れた傷を負ったAさんのほうである。看護師が処置の直前に接種しても免疫はすぐにはつかず、処置を遅らせるだけになる。

  • 4

    看護師が着用するガウンにAさん用と記載しAさん専用にする。不正解

    使い捨てのガウンは1回の処置ごとに脱いで捨てる。名前を書いて使い回すと、汚れたガウンを繰り返し着ることになり、かえって感染を広げる。

📚 国試でよく狙われるところ

防護具は、想定される曝露の内容に応じて選び、外す順番も決まっている。

  • 防護具を外す順は手袋→ゴーグル→ガウン→マスクで、最後に手指衛生を行う(最も汚れた手袋を最初に外す)
  • 破傷風は土の中の菌が傷から入って起こり、口が開けにくくなる症状から始まる
  • わが国では1968年(昭和43年)から破傷風を含む定期接種が始まり、それ以降に生まれた世代は基礎免疫をもつ
  • 災害時の傷では、汚れの程度と接種歴に応じて破傷風トキソイドの追加接種などが検討される
場面別の個人防護具
場面必要な個人防護具
血液・体液に触れる可能性がある手袋
血液・体液が飛散する可能性がある(出血部位の処置、吸引)手袋+マスク+ゴーグルまたはフェイスシールド+ガウン/エプロン
衣服が汚染される可能性があるガウンまたはエプロン
飛沫感染する病原体(インフルエンザ等)サージカルマスク
空気感染する病原体(結核、麻疹、水痘)N95マスク+陰圧個室(可能な範囲で隔離)

参考: 医療機関等における院内感染対策について(厚生労働省)/災害時における感染症対策(国立感染症研究所)

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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