第114回 看護師国家試験 午後 問107 解説
📝 問題
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。 A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎のため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。 その後、看護師は、A君が小学校で自立して間欠的自己導尿ができるようケア計画を立てた。 間欠的自己導尿の実施についてA君に伝えることで適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 尿が出てきた位置で、カテーテルの挿入を止める。
カテーテルの先が膀胱に届くと尿が流れ出る。この尿の流出が「これ以上進めなくてよい」という合図で、そこで止めれば膀胱の壁を突いて傷つけずにすむ。
子どもに伝えるときは「おしっこが出てきたら、そこでストップ」と、目印と行動を1対1で結びつけた言い方にすると実行しやすい。
自己導尿は清潔操作であって無菌操作ではない。石けんでの手洗い、尿道口の清拭、カテーテルの保管という3点を守れば、家庭でも学校でも安全に行える。
- 1
「おしっこの出口をきれいにするため外側から内側に向かって拭くよ」不正解
尿道口の清拭は内側から外側へ向かって行う。外から内へ拭くと、肛門周囲などの細菌を尿道口に運んでしまい、尿路感染の原因になる。
- 2
「カテーテルの先はピンセット〈鑷子〉で持つよ」不正解
清潔操作なので鑷子は要らない。カテーテルを傷つけるうえ操作も煩雑で、5〜6歳の子どもが自分で行う方法として現実的でない。
- 3
「カテーテルを入れておしっこが出てきたらその位置でカテーテルを止めるよ」正解
尿の流出は先端が膀胱に届いたサインである。その位置で止めれば、押し込みすぎて膀胱の壁を傷つけずにすむ。
- 4
「おしっこが出なくなったらカテーテルを急いで抜くよ」不正解
急いで抜くと膀胱に尿が残ってしまう。出なくなったら少しずつ引き抜き、途中でまた出たらそこで止めて、残りがなくなるのを確かめながら抜く。
📚 国試でよく狙われるところ
清潔間欠導尿は、残尿による尿路感染と、膀胱内の圧の上昇(腎機能の悪化)を防ぐために行う。
- 導尿の回数が減ると残尿が増え、尿路感染や膀胱尿管逆流から腎機能の低下につながる
- 尿の濁り・浮遊物・悪臭、発熱、腰や背中の痛みは尿路感染を疑うサイン
- 水分を十分にとることも、尿路感染と結石の予防になる
| 手順 | 要点 |
|---|---|
| ①手を洗う | 石けんと流水で。清潔操作の出発点 |
| ②物品を準備する | カテーテル、潤滑剤、清拭用品、採尿容器 |
| ③尿道口を拭く | 内側(尿道口)から外側へ。一方向に拭く |
| ④カテーテルを挿入する | 潤滑剤を用い、ゆっくり進める。抵抗があれば無理をしない |
| ⑤尿の流出を確認する | 流出した位置で挿入を止める |
| ⑥ゆっくり抜く | 尿が出なくなったら少しずつ引き抜き、残尿がないか確認する |
| ⑦後片づけ | 再利用型カテーテルは洗浄して指定の方法で保管する |
参考: 二分脊椎症(小児慢性特定疾病情報センター)/尿路管理を含む泌尿器科領域における感染制御ガイドライン(日本泌尿器科学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について