第114回 看護師国家試験 午後 問105 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み103〜105の問いに答えよ。 A君(12歳、男児)は、肥満を心配した保護者に連れられて来院した。A君と保護者は、医師から「1日の食事内容を毎日記録し、1週後に再診してください」と説明された。既往歴と家族歴:特記すべきことはない。生活歴:スナック菓子などの間食を好む。時間があればポータブル型のゲーム機でサッカーゲームばかりして、就寝時刻は毎晩午前0時を過ぎる。A君は、学校生活は楽しく思っているが朝起きられず遅刻して登校することが多い。また、運動することが嫌いなため運動の習慣はない。身体所見:身長153.0cm(標準152.4cm)、体重61.7kg(標準44.1kg)。血圧100/60mmHg。心音と呼吸音に異常はない。腹部は平坦、軟で、肝臓と脾臓を触知しない。 A君の保護者は「この機会に、Aの生活リズムの乱れも改善したいと思います。どんなことから始めるのが良いですか」と看護師に尋ねた。 看護師の説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 起床後に朝日を浴びて体内時計を整えるよう勧める。

A君は毎晩午前0時を過ぎて就寝し、朝起きられずに遅刻している。体内時計が後ろにずれた状態である。

体内時計の周期は24時間より少し長く、毎朝の光によって24時間に合わせ直されている。起床後に浴びる朝の明るい光は体内時計を前に戻し、夜に眠気が来る時刻も早めてくれる。

生活リズムの改善は、負担が小さくて今日から続けられることから始めるのが原則である。

  • 1

    「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」不正解

    全面禁止は本人の楽しみを一方的に奪うため反発を招き、家庭内の対立になって続かない。就寝1時間前は使わないなど、A君と一緒にルールを決めるほうが現実的である。

  • 2

    「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」正解

    朝の光は体内時計をリセットし、睡眠と覚醒のリズムを前に戻す。カーテンを開ける、窓際で朝食をとるなど、すぐ始められる点でも最初の一歩に向く。

  • 3

    「サッカークラブに所属すると良いでしょう」不正解

    A君は運動が嫌いで習慣もない。ゲームでサッカーを好むことと、実際に体を動かしたい気持ちは別である。

  • 4

    「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」不正解

    A君は学校生活を楽しんでおり、登校すること自体がリズムを支えている。休ませると起床時刻の手がかりを失い、リズムはさらに後ろへずれる。

📚 一緒に確認しよう

生活リズムを整える指導は、光・食事・運動・寝る前の環境という4つの手がかりで組み立てる。

  • 夜は照明を落としてメラトニンの分泌を妨げない
  • 就寝前のスマートフォンやゲームは、光の刺激と興奮の両方から寝つきを遅らせる
  • 朝食を毎日とることも、体内時計を整える手がかりになる
  • 小学生の推奨睡眠時間はおよそ9〜12時間、中高生ではおよそ8〜10時間
  • 睡眠不足は肥満・学業成績の低下・イライラや抑うつと関連する
学童期の生活習慣を整える具体策
場面具体策
朝決まった時刻に起きる、カーテンを開ける、朝食をとる
日中外遊びや徒歩通学など、生活の中で体を動かす機会をつくる
夕方以降夕食と入浴の時刻を一定にする
就寝前画面を見る時間を区切る、照明を暗くする、寝室に機器を持ち込まない

参考: 健康づくりのための睡眠ガイド(厚生労働省)/小児肥満症診療ガイドライン(日本肥満学会)

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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