第114回 看護師国家試験 午前 問77 解説
📝 問題
避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 避難所で身体活動の低下が続くと、生活不活発病(廃用症候群)が最も起こりやすい。
避難所では、動く場所がない・することがない・周りに遠慮して動かない・トイレの回数を減らそうと水分を控える、といった理由で高齢者の活動量が一気に落ちる。
動かない状態が続くと筋力の低下・関節の拘縮・心肺機能の低下が進み、生活不活発病(廃用症候群)になる。
歩けていた人が数週間で歩けなくなることもあり、災害のあとに介護が必要になる大きな原因である。
- 1
感染不正解
避難所は人が密集した共用の環境なので感染は広がりやすいが、それは衛生環境と密集が原因で、活動量の低下そのものから生じるものではない。
- 2
脱水不正解
脱水はトイレを我慢して水分を控えることから起こりやすく、警戒すべき問題。ただし「身体活動が低下し続けている」ことから最も直接に生じるのは生活不活発病。
- 3
せん妄不正解
せん妄は環境の変化・睡眠障害・脱水・薬などをきっかけに起こる、急に現れて変動する意識の障害。活動量の低下が続いた結果としてまず挙がるものではない。
- 4
生活不活発病〈disuse syndrome〉正解
正しい。動かない状態が続くと筋がやせ、関節が固まり、心肺機能も落ちる。避難所では意識して体を動かす声かけと場づくりがいる。
📚 ここも一緒におさえておこう
動かないことの影響は全身に及ぶ。系統ごとに並べて覚えると、観察のポイントになる。
| 系統 | 症状 |
|---|---|
| 運動器 | 筋がやせて筋力が落ちる(安静1週間で約10〜15%低下)、関節が固まる、骨がもろくなる |
| 循環器 | 起立性低血圧、心拍出量の低下、深部静脈血栓症 |
| 呼吸器 | 肺活量・換気量の低下、痰が出しにくい、沈下性肺炎(背中側にたまる肺炎) |
| 消化器・泌尿器 | 食欲低下、便秘、尿路結石、尿路感染 |
| 皮膚 | 褥瘡 |
| 精神・神経 | 意欲の低下、抑うつ、見当識障害、睡眠障害 |
参考: 厚生労働省 生活不活発病(廃用症候群)予防のための啓発資料/避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(内閣府)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について