第114回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
A君(6歳、男児)は腹痛のため来院し、ネフローゼ症候群〈nephrotic syndrome〉と診断され入院した。ステロイド治療が開始され、本日が7日目である。尿量の増加がみられ浮腫が軽減し、血圧は128/80mmHg、尿蛋白+であった。 A君に説明する必要があるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ステロイド治療中で感染しやすいため、6歳のA君本人に手指衛生を説明する。
ステロイドは免疫の働きを抑えるため、治療中の子どもは感染しやすい状態になる。しかも感染はネフローゼ症候群が再発するきっかけにもなるので、感染予防は治療と同じくらい大切。
A君は6歳で、手洗いやうがいを自分でできる年齢。 本人に説明すべきなのは手指衛生である。
A君は尿量が増えて浮腫が軽くなっており、治療に反応している経過。ただし血圧128/80mmHgは6歳としては高く、ステロイドの副作用による血圧上昇として、塩分を控え血圧を測り続ける必要がある。
- 1
手指衛生正解
正しい。6歳なら手洗い・うがいを自分でできるので、本人に直接説明する意味が大きい。
- 2
床上安静不正解
浮腫が強い時期は活動を控えるが、尿が出て浮腫が軽くなった今は不要。ネフローゼでは血液が濃くなって血栓ができやすく、動かなすぎるとかえって危険。
- 3
水分摂取の制限不正解
水分制限は浮腫が強いときなどに限って行う。尿量が増えている今は必要なく、かえって血液量が減って血栓を招きかねない。制限するなら塩分。
- 4
蛋白質の摂取の制限不正解
小児のネフローゼ症候群でたんぱく制限は行わない。成長期で十分なたんぱく質が必要であり、制限しても蛋白尿や腎機能が良くなる根拠もない。
📚 国試でよく狙われるところ
ステロイドを使う小児の看護は、感染予防と副作用の観察が軸になる。
- ステロイドを使っている間は生ワクチンが打てない(麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・BCG〈ビーシージー〉)。
- 水痘や麻疹の人と接触したら、すぐ受診するよう家族に伝える。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 起こりやすい子 | 1〜6歳の男児に多い。約90%はステロイドがよく効くタイプ |
| 主な合併症 | 感染症(腹膜炎・蜂窩織炎・敗血症)、血栓、循環血液量の減少(低血圧・腹痛) |
| ステロイドの副作用 | 満月様顔貌、感染しやすい、高血圧、食欲が増して太る、成長の遅れ、骨がもろくなる |
| 経過 | 約80%が再発する。感染がきっかけになることが多い |
参考: 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン(日本小児腎臓病学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について