第114回 看護師国家試験 午前 問49 解説
📝 問題
終末期癌患者にみられる悪液質の徴候はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ がん悪液質の中心的な徴候は、骨格筋が減ることによる体重減少である。
がん悪液質は、腫瘍から出る物質や体内の炎症によって代謝がくずれ、食欲が落ちて骨格筋が減っていく状態。
いちばん分かりやすい徴候が体重の減少で、国際的な基準でも「過去6か月で体重が5%を超えて減る」ことが使われる。
大切なのは、食事の量を増やすだけでは元に戻らないこと。単なる栄養不足とは違い、炎症と代謝の異常が背景にあるため、カロリーを足しても筋肉は戻りにくい。
- 1
体重減少正解
正しい。食欲不振・だるさ・低アルブミン血症を伴うことが多い。
- 2
がん性疼痛不正解
がん性疼痛は腫瘍の広がりや骨への転移で起こる症状で、悪液質の徴候ではない。悪液質がなくても痛みは起こる。
- 3
リンパ浮腫不正解
リンパ浮腫は、リンパ節の切除や放射線治療、腫瘍でリンパの流れがせき止められて起こる局所のむくみ。全身の代謝異常である悪液質とは仕組みが違う。
- 4
末梢神経障害不正解
末梢神経障害は抗癌薬の副作用や腫瘍の広がりで起こる。悪液質の徴候ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
悪液質は進み方で3つの時期に分かれ、時期によってできる支援が変わる。
- みるところは体重の変化、体格指数、握力、食事の量、血清アルブミン、炎症反応。
- 終末期には点滴を減らすほうが、浮腫・胸水腹水・気道の分泌がやわらいで楽になることがある。
| 病期 | 特徴 |
|---|---|
| 前悪液質 | 体重減少5%以下。食欲不振や代謝の変化が始まっている |
| 悪液質 | 体重減少5%超、または体格指数20未満で2%超の減少。筋肉量の減少を伴う |
| 不応性悪液質 | 抗がん治療に反応せず、予後3か月未満。積極的な栄養療法の効果は乏しい |
参考: 日本がんサポーティブケア学会「がん悪液質ハンドブック」/Fearon K ら「がん悪液質の国際コンセンサス定義」(Lancet Oncology, 2011)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について