第114回 看護師国家試験 午前 問29 解説
📝 問題
嚥下反射に伴って起こるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 嚥下のときは喉頭が持ち上がり、それに合わせて甲状腺も上下に動く。
食べ物がのどに届くと、0.5秒ほどの一連の反射が起こる(嚥下反射)。 ・喉頭が前上方へ持ち上がる ・喉頭蓋がふたをして声門が閉じ、気道を守る ・食道の入口が開いて、食べ物が食道へ送られる ・この間は呼吸が一時的に止まる
甲状腺は気管と甲状軟骨にくっついているため、喉頭が持ち上がると甲状腺も一緒に上下に動く。首のしこりが飲み込みで上下に動けば甲状腺のものを疑う、という診察につながる。
- 1
甲状腺の上下の動き正解
正しい。甲状腺は気管にくっついているので、飲み込むと一緒に上下する。
- 2
肝臓の上下の動き不正解
肝臓が上下するのは呼吸で横隔膜が動くため。深呼吸させて肝臓を触れるのはこれを利用したもので、嚥下とは関係しない。
- 3
声門の開放不正解
逆。飲み込むときは誤嚥を防ぐために声門は閉じる。開いていたら食べ物が気管に入ってしまう。
- 4
舌根の沈下不正解
逆。飲み込むときは舌を上あごに押しつけて食べ物をのどへ送る。舌根沈下は意識障害などで舌がのどへ落ち込み気道をふさぐ、別の現象。
📚 ここも一緒におさえておこう
嚥下は5つの時期に分けて覚える。どこがうまくいかないかで、必要な援助が変わる。
- 嚥下反射の中枢は延髄。舌咽神経・迷走神経・舌下神経などが関わる。
- 誤嚥は右の主気管支(太く短く、垂直に近い)に起こりやすく、誤嚥性肺炎は右の下葉にできやすい。
- むせない誤嚥(不顕性誤嚥)は夜間の唾液で起こり、高齢者の肺炎の大きな原因になる。
- 簡単に調べる方法に反復唾液嚥下テスト(30秒間に3回以上できれば正常)がある。
| 時期 | 内容 | 随意/不随意 |
|---|---|---|
| 先行期(認知期) | 食物を認識し、食べ方を判断する | 随意 |
| 準備期 | かんで食塊をつくる | 随意 |
| 口腔期 | 舌で食塊をのどへ送る | 随意 |
| 咽頭期 | 嚥下反射(喉頭挙上・声門閉鎖・食道入口部が開く) | 不随意(反射) |
| 食道期 | 蠕動運動で胃へ送る | 不随意 |
参考: 日本摂食嚥下リハビリテーション学会「摂食嚥下障害の評価法」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について