第114回 看護師国家試験 午前 問22 解説
📝 問題
空気感染(飛沫核感染)の予防策はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 空気感染を防ぐには、医療者がN95マスクを着け、患者には陰圧個室に入ってもらう。
空気感染(飛沫核感染)は、飛沫の水分が蒸発して残った5μm未満の飛沫核が空気中を長く漂い、遠くまで運ばれて起こる。飛沫(5μm以上)が1〜2mで落ちるのとは違い、ふつうのサージカルマスクでは防ぎきれない。
そこで医療者は、細かい粒子を捕らえるN95(エヌきゅうじゅうご)マスクを着ける。
患者には、室内の空気が廊下へ流れ出ない陰圧個室に入ってもらう。やむを得ず部屋を出るときは、患者にサージカルマスクを着けてもらう。
空気感染する代表は3つ。覚え方は「ケッカク(結核)・マシン(麻疹)・ミズボウソウ(水痘)」。
- 1
消毒薬の噴霧不正解
消毒薬を空間にまくのは効果がはっきりせず、吸い込む害もあるためすすめられない。よく触れる場所を拭いて消毒し、換気する。
- 2
病室の陽圧換気不正解
向きが逆。陽圧にするのは、感染に弱い患者を外の微生物から守るとき。空気感染では病原体を部屋に閉じ込めるため陰圧にする。
- 3
N95マスクの着用正解
正しい。N95マスクなら5μm未満の飛沫核を捕らえられる。顔に密着していなければ意味がない。
- 4
ラビング法の手指消毒不正解
アルコールをすり込む手指消毒はいつでも大切だが、空気中を漂う飛沫核には届かない。経路が違えば必要な対策も変わる。
📚 混同しやすいので注意
経路が分かれば対策は決まる。粒子の大きさと届く距離で覚える。
- 標準予防策はすべての患者に行う。血液・体液・分泌物・排泄物・粘膜・傷ついた皮膚は、感染性があるものとして扱う。
- ==ノロウイルスはアルコールが効きにくい。流水と石けんで手を洗い、次亜塩素酸ナトリウムで環境を消毒する。
- 個人防護具を外す順序は手袋→ゴーグル→ガウン→マスク。マスクは部屋を出てから外す。
| 経路 | 粒子 | 代表疾患 | 主な対策 |
|---|---|---|---|
| 空気感染 | 飛沫核(5μm未満) | 結核、麻疹、水痘 | N95マスク、陰圧個室 |
| 飛沫感染 | 飛沫(5μm以上・1〜2m) | インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳 | サージカルマスク、個室または1〜2mの距離 |
| 接触感染 | 直接・間接の接触 | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ノロウイルス、疥癬、腸管出血性大腸菌 | 手指衛生、手袋・ガウン、器材の専用化 |
参考: CDC「隔離予防策のためのガイドライン」/厚生労働省「医療機関における感染対策マニュアル作成のための手引き」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について