第113回 看護師国家試験 午後 問75 解説
📝 問題
体内で代謝された結果、胆汁酸として胆汁中に分泌されるのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 代謝されて胆汁酸として胆汁中に分泌されるのはコレステロールである。
脂肪の消化に使う胆汁の材料になるのがコレステロールである。肝臓で胆汁酸に作りかえられ、胆汁の成分として十二指腸に出される。
紛らわしいのはヘモグロビンである。ヘモグロビンが壊れてできるのはビリルビン(胆汁色素)で、胆汁「酸」ではない。DNA・RNAのプリン塩基は尿酸になり、グリコーゲンはグルコースとして蓄えられて使われる。
プリン塩基とは
DNAやRNAをつくる部品の1つ。体で使い終わると尿酸に変わり、増えすぎると痛風の原因になる。
- 1
DNA不正解
DNAに含まれるプリン塩基は尿酸へ代謝されるが、胆汁酸にはならない。
- 2
RNA不正解
RNAに含まれるプリン塩基は尿酸へ代謝されるが、胆汁酸にはならない。
- 3
グリコーゲン不正解
グリコーゲンはグルコースの貯蔵形で、エネルギー源として利用される。
- 4
ヘモグロビン不正解
ヘモグロビンの分解で生じるのはビリルビン(胆汁色素)で、胆汁酸ではない。
- 5
コレステロール正解
コレステロールは肝臓で胆汁酸に代謝され、胆汁中に分泌される。
📚 ここも一緒におさえておこう
胆汁は「どこで作られ、どこにたまり、流れが止まると何が起きるか」の順で問われる。流れをたどって覚える。
- 胆汁は肝臓で1日約600〜800mL作られ、胆嚢で濃縮・貯蔵される
- 胆汁酸の約95%は回腸末端で再吸収され肝臓に戻る(腸肝循環)
- 胆道が閉塞すると脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収が悪くなり、ビタミンKが足りずに出血しやすくなる
- 閉塞性黄疸では便が灰白色、尿が濃褐色になる
| 成分 | 由来・働き |
|---|---|
| 胆汁酸 | コレステロールから合成。脂肪を乳化し、脂質と脂溶性ビタミンの吸収を助ける |
| ビリルビン | ヘモグロビンの分解産物(胆汁色素)。便の色のもとになる |
| コレステロール・リン脂質 | 胆汁酸とともにミセルを形成する |
胆汁には消化酵素は含まれない。代わりに脂肪を細かい粒にして、消化酵素が働きやすい状態をつくる。
参考: 脂質代謝(コレステロール・胆汁酸の腸肝循環)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について