第113回 看護師国家試験 午後 問72 解説
📝 問題
サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ PFAの活動原則は「見る・聞く・つなぐ」である。
サイコロジカルファーストエイド〈PFA〉は、災害や事故などの直後に苦しんでいる人へ行う、心理的な応急対応である。世界保健機関(WHO〈ダブリューエイチオー〉)のフィールドガイドは、その原則を「見る・聞く・つなぐ」の3つにまとめている。
他の3つは誤りである。PFAは発生直後の急性期から始めるもので、1週間待つ必要はない。派遣要請を受けた専門チームだけでなく、その場に居合わせた支援者も行える。つらい体験を無理に詳しく話させることは、かえって害になるため避ける。
デブリーフィングとは
つらい体験の直後に、出来事を細かく語らせる集団の面談。よかれと思って行われてきたが、症状を悪化させることがあり、いまは勧められない。
急性期とは
災害では発生の直後から数日ほどの時期を指す。命と安全の確保が最優先になる。
- 1
活動の原則は、見る、聞く、つなぐ、である。正解
PFAの活動原則は「見る・聞く・つなぐ」である。
- 2
災害発生から1週間経過してから活動する。不正解
PFAは発生直後の急性期から行うもので、1週間の経過を待つ必要はない。
- 3
被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。不正解
PFAは特定の派遣要請に基づく活動に限らず、精神保健の専門家でない支援者も行える。
- 4
苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。不正解
つらい体験を詳しく話すよう強いることは避け、無理な聴取(デブリーフィング)は行わない。
📚 ここも一緒におさえておこう
災害時の心のケアは、避けるべき関わり方・担うチーム・被災者に起こる反応の3つが問われる。
- 心理的デブリーフィング(出来事を詳細に語らせる集団的介入)は症状を悪化させうるため推奨されない
- 災害時の精神医療を担う専門チームはDPAT。身体面を担うDMATと区別して覚える
- 被災者に多い反応(不眠・過覚醒・フラッシュバック)の多くは異常な事態への正常な反応であり、まず安全・安心・つながりを回復する
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 見る | 安全を確認し、緊急に必要な支援や、強い苦痛反応を示す人がいないかを確かめる |
| 聞く | 声をかけて寄り添い、必要を尋ね、話を聴き、落ち着けるよう手助けする |
| つなぐ | 生活のニーズを満たす支援・情報・サービス、大切な人とのつながりへ結びつける |
参考: WHO「心理的応急処置(PFA)フィールドガイド」
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について