第113回 看護師国家試験 午後 問59 解説
📝 問題
閉経に伴うエストロゲンの低下で生じるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 閉経に伴うエストロゲン低下では、腟粘膜の萎縮が生じる。
閉経でエストロゲンが減ると、腟粘膜は薄く萎縮し、うるおいが失われる。
エストロゲンには骨吸収を抑える働きもあり、減ると骨量が減って骨粗鬆症を起こしやすくなる。LDLコレステロールは逆に増え、ほてり・のぼせといった血管運動症状も出やすくなる。
骨吸収とは
古い骨を壊して溶かす働き。骨をつくる骨形成と釣り合っているが、吸収が上回ると骨量が減る。
LDLコレステロールとは
いわゆる悪玉コレステロール。増えると血管の壁にたまり、動脈硬化が進みやすくなる。
- 1
骨量の増加不正解
エストロゲン低下では骨吸収が進み骨量は減少するため、増加は誤りである。
- 2
腟粘膜の萎縮正解
エストロゲン低下により腟粘膜は萎縮し、萎縮性腟炎や性交痛を来しやすくなる。
- 3
脳血流量の増加不正解
エストロゲン低下ではほてり等の血管運動症状を生じるが、脳血流量が増加するわけではない。
- 4
血中LDLコレステロールの減少不正解
エストロゲン低下ではLDLコレステロールは増加傾向となり、減少は誤りである。
📚 一緒に確認しよう
- 日本人女性の閉経の平均年齢は約50歳で、閉経は月経が12か月以上停止した状態を後方視的に判断する
- 更年期は閉経の前後5年ずつ(計約10年間)を指す
- 閉経後はFSH・LHが上昇し、エストラジオールは低下する
- 更年期症状の評価には簡略更年期指数、治療にはホルモン補充療法や漢方薬が用いられる
| 部位・系統 | 変化 |
|---|---|
| 骨 | 骨吸収の亢進により骨量が減少し、骨粗鬆症のリスクが上昇 |
| 脂質代謝 | LDLコレステロールの上昇とHDLコレステロールの低下、動脈硬化の進行 |
| 血管運動神経 | ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)・発汗・動悸 |
| 泌尿生殖器 | 腟粘膜の萎縮・乾燥、性交痛、萎縮性腟炎、尿失禁 |
| 精神 | 抑うつ・不安・不眠・いらいら |
参考: 閉経・更年期におけるエストロゲン低下の影響
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について