第113回 看護師国家試験 午後 問42 解説
📝 問題
術後の創傷治癒が遅延する因子となる検査値はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ アルブミン 2.2 g/dLは著明な低値で、創傷治癒遅延のリスクを示す。
術後の創傷治癒には十分な栄養(特にたんぱく質)が必要である。血清アルブミンの基準値は約3.8〜5.2 g/dLで、2.2 g/dLは著明な低値であり、創傷治癒遅延のリスクを示す。
ほかの検査値は、いずれも治癒を妨げるほどの異常ではない。 創傷治癒を妨げる因子は低栄養・高血糖・低酸素・感染・ステロイドの使用・末梢循環障害で、検査値と結びつけて覚える。
アルブミンとは
血液中で最も多いたんぱく質。栄養状態の目安になり、不足すると傷が治りにくく、むくみも出やすい。
eGFR〈イージーエフアール〉とは
腎臓が老廃物をこし出す力を、血液検査と年齢から推計した値。60を下回る状態が続くと腎機能の低下を疑う。
- 1
アルブミン 2.2 g/dL正解
アルブミン2.2 g/dLは著明な低値で、低栄養などが疑われ、創傷治癒遅延のリスクとなる。
- 2
推算糸球体濾過量〈eGFR〉 62 mL/分/1.73 m²不正解
eGFR 62 mL/分/1.73m²は軽度低下にとどまり、創傷治癒遅延の主因とはならない。
- 3
動脈血酸素分圧〈PaO₂〉 88 Torr(room air)不正解
PaO₂ 88 Torrは正常範囲であり、酸素化は保たれている。
- 4
ヘモグロビン A1c〈HbA1c〉 5.5 %不正解
HbA1c 5.5%は正常値で、血糖コントロール不良による治癒遅延は示唆されない。
📚 ここも一緒におさえておこう
栄養状態をみる検査値は、半減期と影響する要因を併せて確認する。
- アルブミンは炎症・脱水・肝障害にも影響されるため、CRPなどと併せて評価する
| 指標 | 半減期の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| アルブミン | 約17〜23日 | 長期的な栄養評価に用いるが、炎症などの影響を受ける。基準値3.8〜5.2 g/dL |
| トランスフェリン | 約7〜10日 | 短期の栄養状態を反映(RTP) |
| トランスサイレチン(プレアルブミン) | 約2〜3日 | 短期の変化に鋭敏(RTP) |
| レチノール結合蛋白 | 約12〜16時間 | 最も鋭敏なRTP |
参考: 血清アルブミンの基準値と栄養評価
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について