第113回 看護師国家試験 午後 問119 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。 Aさん(72歳、男性)は、妻と2人暮らしで子どもはいない。定年後は2人で旅行するのが趣味であった。Aさんは、1か月前から残尿感や夜間頻尿が気になり病院を受診した結果、前立腺癌と診断され根治的前立腺摘出手術を受けた。退院後は、手術後の補助療法として、外来で放射線の外照射療法を行うことになっている。 Aさんの放射線療法が開始され初回の照射を終えた。放射線外来の看護師は、終了後にAさんへ声をかけた。Aさんは「ベッドは硬いし、最後まで同じ姿勢でいることがとても苦痛です。大きな音がするので恐怖も感じます」と訴えた。 このときの看護師の説明で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 同一体位を保つつらさには、治療体位を安定させる固定具を工夫して苦痛を軽減することが適切である。
放射線治療では毎回まったく同じ位置に当てる必要があり(再現性)、そのために同じ体位を保たなければならない。Aさんは硬い台の上で同じ姿勢を続けることを苦痛に感じている。 固定具(位置決め具)を工夫すれば、正しい体位を保ったまま、つらさを減らせる。
残る3つはいずれも実施できない。付き添いは被曝を避けるため室内に入れず、照射時間は治療計画で決まっていて縮められず、途中で体位を変えれば当てる位置がずれる——できるのは体位を変えることではなく、その体位を楽にすることである。
固定具とは
放射線治療のたびに同じ姿勢を保つために使う器具。体に合わせた枕やクッション、体を包むシェルなどがある。
- 1
「次回から照射中は傍に付き添います」不正解
照射中は被曝防止のため室内に付き添えず、別室からの観察・通話で対応する。
- 2
「治療体位をとるための固定具を工夫してみます」正解
治療体位を安楽に保てる固定具を工夫することで、再現性を保ちつつ苦痛を軽減できる。
- 3
「照射時間を短くできるよう主治医に相談してみます」不正解
照射時間は線量・治療計画で決まり、患者の希望で短縮することはできない。
- 4
「照射中に体位変換ができるよう放射線技師に相談します」不正解
照射中に体位を変えると照射位置がずれ正確な治療ができないため、体位変換は行えない。
📚 ここも一緒におさえておこう
外部照射では体内に放射線が残らないため、患者から周囲の人への被曝はない。付き添いや面会を制限する必要はないと説明できるとよい。
- 毎回同じ位置に当てるため、固定具と皮膚のマーキングを使う
- 照射室には医療者は入れないため、テレビモニターとインターホンで観察と声かけを行う
- 1回の照射時間は数分と短い。線量とともに治療計画で決まっているため、患者の希望では変えられない
- 音や孤独感への不安には、どんな音がどれくらい続くかを事前に説明しておくと効果がある
参考: 放射線治療の看護(体位固定と患者の安楽・不安への対応)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について