第113回 看護師国家試験 午後 問101 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。 Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80mmHgで、床上安静の指示が出された。 入院3日。両眼瞼の浮腫と肉眼的血尿は続いていた。看護師がAちゃんのベッドサイドを訪れると、Aちゃんは「頭が痛い。気持ちが悪い」と訴えた。Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数92/分、血圧148/88mmHgであった。 この状況からAちゃんに起こりうる症状はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 急激な血圧上昇で高血圧性脳症を生じると、意識障害が起こりうる。
入院3日で血圧が148/88mmHgまで上がり、頭痛と「気持ちが悪い」という悪心を訴えている。急性糸球体腎炎による急な血圧上昇は高血圧性脳症を招き、頭痛・悪心に続いてけいれんや意識障害が生じうる。 Aちゃんはその前ぶれの段階であり、次に起こりうるのが意識障害である。頭痛と悪心の段階で気づいて血圧を測り、医師に報告することが、けいれんや意識障害を防ぐ。
残る3つは目・耳・鼻それぞれの局所の症状で、血圧の上がり方とはつながらない。血圧が上がって危ないのは脳であり、そこに当てはまるのは意識障害だけである。
高血圧性脳症とは
急に上がった血圧に脳の血管が耐えられず、脳がむくんだ状態。早く血圧を下げれば回復するが、遅れると後遺症を残す。
- 1
眼のかゆみ不正解
眼のかゆみはアレルギー性結膜炎などの症状で、血圧上昇とは関連しない。
- 2
意識障害正解
急激な血圧上昇による高血圧性脳症で、頭痛・悪心に続き意識障害やけいれんが起こりうる。
- 3
耳漏不正解
耳漏は中耳炎など耳疾患の症状で、本病態とは無関係である。
- 4
鼻閉不正解
鼻閉は上気道症状で、高血圧性脳症の症状ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性糸球体腎炎で急変を疑うのは、血圧が上がったときである。合併症は「体に水がたまる」ことから起こると覚えよう。
- 高血圧性脳症では、頭痛・悪心・嘔吐・視覚の異常に続いてけいれん・意識障害が現れる
- 急性期に警戒する合併症は高血圧性脳症・心不全・急性腎障害の3つ
- 血圧の下げすぎは脳への血流を減らしてしまう。降圧は医師の指示のもとで慎重に行う
| 区分 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 |
|---|---|---|
| 幼児 | 120mmHg以上 | 70mmHg以上 |
| 小学校低学年 | 130mmHg以上 | 80mmHg以上 |
| 小学校高学年 | 135mmHg以上 | 80mmHg以上 |
| 中学校(男子) | 140mmHg以上 | 85mmHg以上 |
| 中学校(女子) | 135mmHg以上 | 80mmHg以上 |
| 高等学校 | 140mmHg以上 | 85mmHg以上 |
7歳のAちゃんの130/80mmHgは、小学校低学年の高血圧域にあたる。
参考: 小児急性糸球体腎炎の合併症(高血圧性脳症)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について