第113回 看護師国家試験 午前 問93 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み91〜93の問いに答えよ。 Aさん(49歳、女性)は、これまで在宅勤務でほとんど外出することがなく、BMI 33であった。Aさんは久しぶりの出勤の際に転倒し、右大腿骨頸部骨折と診断され、右人工股関節置換術を受けることになった。 術後3日、Aさんの全身状態は改善し、読書をして過ごしている。 Aさんの術後の合併症を予防する適切な肢位はどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 人工股関節置換術後の脱臼を予防する肢位は外転である。

人工股関節置換術(後方アプローチ)で最も注意すべき合併症は、入れた関節が外れる脱臼である。屈曲・内転・内旋の3つが重なると後方へ脱臼しやすい。

そこで術後は、脚を体の外側へ開いた外転位に保ち、脚を組む・正中を越えて内側へ寄せる・内側にひねる動作を避ける。外転位では大腿骨頭が臼蓋にしっかり収まるため、後方へ抜けにくい。

  • 1

    外旋不正解

    外旋は後方アプローチ後の主要な脱臼肢位ではないが、予防肢位として積極的にとる肢位でもない。基本は外転・中間位に保つ。

  • 2

    外転正解

    外転位は人工股関節の後方脱臼を予防する基本肢位で、外転枕などで保持する。

  • 3

    内旋不正解

    内旋は後方脱臼を誘発する肢位であり、避けるべきである。

  • 4

    内転不正解

    内転(脚を組む・正中を越える)は後方脱臼を誘発する肢位であり、避けるべきである。

📚 ここも一緒におさえておこう

人工股関節の術後は、病棟でのポジショニングから退院後の暮らし方まで、脱臼と感染を防ぐ関わりが問われる。起きてしまったときの対応もあわせて確認しよう。

  • 術後は外転枕や三角枕で外転位を保ち、寝返りや側臥位のときは両脚の間に枕を挟む。
  • 生活指導=高めの椅子・洋式トイレ・ベッドを使い、リーチャーや靴下エイドなどの自助具で深い前屈を避ける。
  • 脱臼時は股関節部の激痛・脚長差・肢位の異常がみられる。動かさずに直ちに医師へ報告する。
  • 感染も重大な合併症で、抜歯や他の手術の際は人工関節が入っていることを申し出るよう指導する。
人工股関節置換術のアプローチと脱臼肢位
アプローチ脱臼しやすい肢位避ける動作の例
後方(最も多い)屈曲・内転・内旋深くしゃがむ、低い椅子や和式トイレ、脚を組む、体をひねって床の物を取る、横座り
前方・前側方伸展・内転・外旋脚を後方に大きく引く、後ろを振り返る、うつ伏せ

参考: 人工股関節全置換術後の脱臼予防に関する標準的看護(後方アプローチ)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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