第113回 看護師国家試験 午前 問79 解説

📝 問題

大動脈解離で真腔と偽腔(解離腔)が形成される。 偽腔が形成される大動脈壁の部位はどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 大動脈解離の偽腔は中膜内に形成される。

大動脈解離は、内膜に生じた亀裂(エントリー)から血液が壁の中へ流れ込み、中膜が縦方向に裂けて偽腔(解離腔)を形成する病態である。 本来の血流路である真腔と、新たにできた偽腔の二腔になる。

大動脈壁は内側から内膜・中膜・外膜の三層からなる。外膜側で破綻すれば大量出血、真腔を圧排すれば臓器虚血をきたす。Stanford(スタンフォード)分類のA型・B型と緊急性もあわせて押さえておきたい。

  • 1

    外膜不正解

    外膜そのものが裂けて偽腔になるのではなく、解離は中膜内で起こる。

  • 2

    外膜と中膜の間不正解

    偽腔は外膜と中膜の境界ではなく、中膜の内部に形成される。

  • 3

    中膜正解

    内膜の亀裂から血液が中膜内へ流入し、中膜が裂けて偽腔が形成される。

  • 4

    中膜と内膜の間不正解

    偽腔は中膜と内膜の境界ではなく、中膜内に生じる。

  • 5

    内膜不正解

    内膜は亀裂(エントリー)を生じる部位であり、偽腔そのものは中膜内に形成される。

📚 国試でよく狙われるところ

大動脈解離は、どんな症状で気づくか、なぜ起こりやすいか、急性期に何を管理するかがひと続きで問われる。

  • 典型症状は突然の激しい胸背部痛(引き裂かれるような痛み)と痛みの移動、左右上肢の血圧差、大動脈弁閉鎖不全による拡張期雑音。
  • 最大の危険因子は高血圧。ほかに動脈硬化、Marfan(マルファン)症候群などの結合組織疾患、妊娠がある。
  • 急性期は収縮期血圧100〜120mmHg程度を目標に、β遮断薬などで血圧と心拍数を下げ、疼痛と不穏を確実に抑える。
大動脈解離のStanford分類
分類解離の範囲治療の原則
A型上行大動脈に解離がある緊急手術(人工血管置換)。心タンポナーデ、大動脈弁閉鎖不全、冠動脈・頸動脈の解離を合併し致死的
B型上行大動脈に解離がない原則は保存的治療(降圧・鎮痛・安静)。破裂や臓器虚血があれば血管内治療や手術

参考: 標準的な循環器病学(大動脈解離の病態)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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