第112回 看護師国家試験 午後 問55 解説
📝 問題
子どもの発達で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 子どもの発達には急速な時期と緩慢な時期がある。
子どもの発達は一定の速度で進むのではなく、急速に進む時期(乳児期や思春期など)と比較的緩やかな時期が交互にみられる。発達には順序性・方向性があると同時に、速度に緩急がある点が特徴である。
他の選択肢の誤りも整理しておく。原始反射(モロー反射、把握反射など)は主に生後数か月までにみられ生後4〜6か月ころまでに多くが消失していくもので、「生後6〜12か月にみられる」は時期が遅い。運動発達は頭部から尾部(脚部)へ、中枢から末梢へと進む方向性があり、「脚部から上方へ向かう」は逆である。新生児期を含め、発達は遺伝(成熟)と環境の相互作用によるが、新生児期に「環境因子の影響が遺伝より大きい」と断定するのは適切でない。
原始反射とは
生まれたときから備わっている、刺激に対して自動的に起こる動き。脳が成熟するにつれて生後4〜6か月ころまでに多くが消える。
- 1
発達は急速な時期と緩慢な時期がある。正解
発達は急速に進む時期と緩やかな時期が交互にみられ、速度に緩急がある。
- 2
原始反射は生後6〜12か月にみられる。不正解
原始反射は生後数か月までにみられ多くが4〜6か月ころに消失し、6〜12か月では遅い。
- 3
基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。不正解
運動発達は頭部から尾部(脚部)へ向かう方向性があり、脚部から上方へではない。
- 4
新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。不正解
発達は遺伝と環境の相互作用によるもので、新生児期に環境因子が遺伝より大きいと断定できない。
📚 国試でよく狙われるところ
発達は、できるようになる月齢と、原始反射が消える月齢を入れ替えて問われる。伸びていく順と消えていく順は別の並びなので、分けて覚えよう。
- 発達の原則=頭部から尾部へ・中枢から末梢へ・粗大運動から微細運動へ進み、順序性があり、速度には緩急がある。ある能力が育ちやすい限られた時期を臨界期という。
- 運動発達の目安=首がすわる3〜4か月・寝返り5〜6か月・お座り7〜8か月・つかまり立ち9〜10か月・ひとり歩き1歳〜1歳3か月。
- 原始反射が消失すべき時期を過ぎても残る場合や左右差がある場合は、中枢神経系の異常を疑う。
| 反射 | 時期 |
|---|---|
| Moro(モロー)反射 | 生後4〜6か月で消失 |
| 手掌把握反射 | 生後3〜4か月で消失 |
| 吸啜反射・探索反射 | 生後4〜6か月で消失 |
| 緊張性頸反射 | 生後4〜6か月で消失 |
| Babinski(バビンスキー)反射 | 1〜2歳ころ消失 |
| パラシュート反射 | 生後8〜9か月に出現し、以後も残る |
参考: 小児看護学(発達の原則)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について