第112回 看護師国家試験 午後 問29 解説
📝 問題
歯周病について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 歯周病は、歯肉炎と、歯槽骨の吸収を伴う真性ポケットができる歯周炎を含む総称である。
歯周病は、歯肉に炎症がとどまる歯肉炎と、炎症が歯槽骨など歯周組織の深部にまで進行する歯周炎を含む総称である。 歯周炎では歯周ポケットが深くなり、歯槽骨の吸収を伴う真性ポケットが形成される。
国試では歯周病の分類と原因の理解が問われる。歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)中の細菌であり、ウイルス感染ではない。歯肉炎は炎症が歯肉に限局し歯槽骨の破壊を伴わない段階、歯周炎は破壊が歯槽骨まで及んだ段階で、「破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎」という記述は歯肉炎と歯周炎が入れ替わっており誤りである。喫煙は歯周病の重要な危険因子だが、飲酒が発症の直接因子とはいえない。
- 1
原因はウイルス感染が多い。不正解
歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)中の細菌であり、ウイルス感染が多いわけではない。
- 2
発症の直接因子として飲酒がある。不正解
発症の直接因子は歯垢中の細菌であり、飲酒は直接因子とはいえない(喫煙は重要な危険因子)。
- 3
真性ポケットが形成される歯周炎を含む。正解
歯周病は歯肉炎と歯周炎を含み、歯周炎では歯槽骨吸収を伴う真性ポケットが形成される。
- 4
破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎である。不正解
破壊が歯槽骨まで及ぶのは歯周炎であり、歯肉炎は炎症が歯肉に限局する段階である(説明が逆)。
📚 混同しやすいので注意
歯肉炎と歯周炎は、歯槽骨が溶けているかどうかで分かれる。この1点でポケットの種類も元に戻るかどうかも決まり、そこから糖尿病との関係にも話が広がる。
- 主原因は歯垢(プラーク)中の細菌。喫煙・糖尿病・ストレス・歯に合っていない詰め物やかぶせ物(補綴物)が危険因子。
- 歯周病と糖尿病は互いに悪化させる双方向の関係にあり、歯周治療により血糖コントロールが改善することがある。
- 8020運動は、80歳で自分の歯を20本以上保つことを目標とする。
| 項目 | 歯肉炎 | 歯周炎 |
|---|---|---|
| 炎症の範囲 | 歯肉に限局 | 歯根膜・歯槽骨まで及ぶ |
| 歯槽骨の吸収 | なし | あり |
| ポケット | 仮性ポケット(歯肉の腫脹による見かけ上のもの) | 真性ポケット(歯ぐきの付着が失われてできる) |
| 可逆性 | プラークコントロールで回復しうる | 失われた歯周組織は元に戻らない |
参考: 標準的な歯科口腔保健(歯周病)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について