第112回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 新生児呼吸窮迫症候群〈RDS〉は、肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。
新生児呼吸窮迫症候群〈RDS〉は、肺胞の表面張力を下げて肺胞の虚脱を防ぐ肺サーファクタントの産生不足・欠乏によって起こる。 サーファクタントはII型肺胞上皮細胞から産生され、妊娠後期に十分な量になる。そのため産生が未熟な早産児ほど発症しやすい。
サーファクタントが足りないと肺胞が虚脱し、換気とガス交換が障害される。多くは出生直後〜数時間以内に多呼吸・呻吟・陥没呼吸・チアノーゼなどの呼吸障害が現れ(生後24時間ころからではない)、呼吸数はむしろ増加する。
過期産児(在胎42週以降)で問題になりやすいのは、胎便吸引症候群などである。
呻吟とは
息を吐くときに「うーうー」とうなるような音が出ること。肺がつぶれないよう無意識に息をこらえているサインで、新生児の呼吸障害でみられる。
- 1
呼吸数が減少する。不正解
呼吸障害により多呼吸となり呼吸数は増加する。減少はしない。
- 2
過期産児に発症しやすい。不正解
サーファクタントの産生が未熟な早産児に発症しやすく、過期産児ではない。
- 3
生後24時間ころから発症する。不正解
多くは出生直後〜数時間以内に発症する。生後24時間ころからではない。
- 4
肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。正解
肺サーファクタントの産生不足・欠乏により肺胞が虚脱し、RDSを生じる。
📚 国試でよく狙われるところ
肺サーファクタントは妊娠34週ころまでに十分な量になる。 そのため在胎週数が短いほど、新生児呼吸窮迫症候群〈RDS〉の発症率が高い。
- 治療は人工肺サーファクタントの気管内投与と呼吸管理(肺胞がつぶれないよう圧をかけ続けるCPAP、人工呼吸)
- 早産が予測される場合、母体への副腎皮質ステロイド投与が胎児の肺成熟を促しRDSを減らす
- シルバーマンスコアは呻吟・陥没呼吸・鼻翼呼吸などから新生児の呼吸障害の程度を評価する
| 疾患 | 好発 | 特徴 |
|---|---|---|
| 新生児呼吸窮迫症候群〈RDS〉 | 早産児 | サーファクタント欠乏による肺胞虚脱。出生直後からの多呼吸・呻吟・陥没呼吸。胸部X線で網状顆粒状陰影と気管支透亮像 |
| 新生児一過性多呼吸〈TTN〉 | 正期産児・帝王切開児 | 肺水の吸収遅延。多呼吸が主体で通常は数日で軽快 |
| 胎便吸引症候群〈MAS〉 | 過期産児・仮死児 | 胎便で混濁した羊水の吸引による気道閉塞と化学性肺炎 |
参考: 標準的な新生児学(RDSの病態と肺サーファクタント)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について